米Cisco Systems(シスコシステムズ)日本法人は1月31日、記者説明会を開き、コラボレーションプラットフォーム「Webex」の生成AIを活用した機能アップデートを説明した。ネットワークの状況に応じてオンライン会議の音声や画質を高品質にするのが特徴だ。
会議や通話の品質を高めるアップデートとしては、音声機能を強化する「AI Codec」と、ビデオ機能を強化する「Super Resolution」を今夏までにリリースする予定。それぞれ帯域幅が狭い場合でも生成AIが品質を最適化する。コミュニケーションの質を最善の状態に保つことで、社内での意思疎通をスムーズにしたり、顧客体験の悪化を防止したりできる。
濱田義之 社長
Webexのアシスタント機能を強化した「Webex AI Assistant」についても説明。言語情報だけではなく、声のトーンやリアクション、ジェスチャーなどからコンテンツを作成する技術「Real-time Media Models(RMM)」などを活用し、高度な会議内容の要約やハイライトの作成などが可能。すでにリリース済みで、一部の機能は日本語に対応する。
ハイブリッドワーク環境の充実を目指す需要は大きいとし、今後はプラットフォーム内のさまざまな製品のアップセルやクロスセルを進めるとともに、幅広い業種・規模の新規顧客の獲得を目指す。
濱田義之社長は「コロナ禍が明けたが、完全にリモートワークやハイブリッドワークが終わることはない」と見通しを示した上で、「AIなどの最先端技術を活用して日本のハイブリッドワーク環境下でのイノベーションの創出を支援したい。われわれの役割はコミュニケーションやコラボレーションツールだけではなく、ネットワークやセキュリティなど、必要な要素を一貫して提供することだ。当社にしかできない支援を顧客に提供していく」と話した。
(大畑直悠)