カオナビは3月6日、入社手続きや年末調整といった労務管理業務の効率化を支援する新サービス「カオナビ労務」の提供を開始した。同社が提供するタレントマネジメントシステムの既存顧客への導入を想定しているほか、新規顧客向けには労務DXを入り口に同社サービスの拡大を狙う。
カオナビ労務は、入社手続き、年末調整、給与明細、電子申請の四つの労務管理業務をペーパーレスで完結できるサービス。書類のやり取りに伴う煩雑な作業を削減し、シンプルで使いやすい操作性で業務を効率化するとしている。従業員数に応じてIDを発行し、顧客企業は必要な機能だけを選んで利用することもできる。入社時に必要な雇用契約書などの体裁は企業ごとにカスタマイズでき、スマートフォンでも入力が可能。導入企業と従業員双方の使い勝手のよさを重視した設計になっている。
越智将太氏
同社は、従業員の情報をクラウド上で一元管理し、最適な人材配置などに役立てるタレントマネジメントシステム「カオナビ」を提供しており、約3400社が導入している。顧客企業から、社員の入社から退職まで一元的に管理したいという声が多く寄せられたことを受け、労務関連の新サービスを提供することにしたという。
既存の顧客企業がオプション的に導入する利用に加え、新規での顧客獲得にも注力。新規でカオナビ労務を導入する企業向けには、労務サービスを入り口としてカオナビの利用拡大にもつなげたい考えだ。カオナビ労務については、数年でカオナビの導入数を超える企業への販売を目指す。アカウント本部の越智将太氏は「人事評価システムと一体的に利用でき、これまで当社が提供してきたサービスと一緒に使える点は大きな武器になる。人材データプラットフォームとして価値を提供していきたい」と述べた。
(堀 茜)