米Cisco Systems(シスコシステムズ)日本法人は4月9日、東京都内で「Cisco Sustainability Summit」を開催し、サステナビリティーへの取り組みやソリューションについて説明した。濱田義之社長は「シスコは、2040年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする公約を掲げている。多くの国では50年を目標としているが、前倒ししてやっていく」と述べ、再生エネルギーの活用や、サステナブルソリューションの強化を進めていく方針を示した。
濱田義之 社長
シスコは、公約の実現に向けて、▽再生エネルギーの活用▽気候変動対策▽ハイブリッドワーク▽サーキュラーエコノミー(循環型経済)▽サステナブルソリューション─の五つに取り組んでいる。再生エネルギーの活用では、シスコがグローバルで利用しているエネルギーの91%が再生可能エネルギーだとした。
スマートビルディングとデータセンター(DC)向けのサステナブルソリューションに関しても紹介した。スマートビルディングでは、クラウド管理型ネットワーク製品「Cisco Meraki」、ビデオ会議コール用機器「Webex Devices」といった同社の製品やサードパーティー製品をセンサーとして活用してデータを収集することで、オフィスや施設のスペースの利用状況が可視化でき、利用していないスペースの電気使用量の削減などが可能になるとした。
DC向けでは、モジュラー型DCスイッチ製品「Cisco Nexus 9800シリーズ」といったハードウェアの導入によってエネルギー消費量を大幅に削減できるほか、専用ダッシュボード「Cisco Nexus Dashboard Insights」で管理対象機器の二酸化炭素排出量などが容易に把握できるという。AIの利活用に伴ってデータ量が急増し、DCの電力消費量が増えているため、ソリューションの提供を通じて課題解決を目指す。
同社はこれまで、大手企業や公共機関などをメインにサステナビリティー関連の取り組みを支援してきた。今後は23年8月に設立した「サステナビリティ推進支援センター」を通じて幅広い企業を支援していくことなども明かした。
(岩田晃久)