米Akamai Technologies(アカマイ・テクノロジーズ)日本法人は6月6日、マクニカソリューションズと国内初のディストリビューター契約を締結したと発表した。マクニカグループの販路により、セキュリティー製品とクラウド製品の拡販を目指す。これまでアカマイは、SIer各社とリセラー契約を結ぶなどして間接販売をしてきたが、日本法人の日隈寛和社長は、「現在のチャネルパートナー経由の売上高は全体の半分にも満たない。マクニカソリューションズと組むことで、7割近くまで伸ばしていきたい」と抱負を述べた。
アカマイ・テクノロジーズ 日本法人 日隈寛和 社長
マクニカソリューションズは、マクニカの社内カンパニーであるネットワークスカンパニー傘下の子会社。ネットワーク機器やセキュリティー製品の導入における戦略立案や要件定義、製品提供、運用保守などのSIサービスを手掛けている。マクニカソリューションズの畠山義秀社長は「ネットワークスカンパニーは製品のディストリビューションがコアのビジネスだが、当社はお客様の課題や使い方に合わせてソリューション化している」と説明した。
マクニカソリューションズ 畠山義秀 社長
今回の協業について畠山社長は「最初はアカマイの製品をディストリビーションしていくことになるが、最終的にはソリューション化して提供していきたい」と展望。続けて、「まずは当社の強みであるセキュリティーから進める」とし、マイクロセグメンテーションやAPIセキュリティーの普及、マネージドサービスの開発・提供に取り組むという。アカマイのクラウドコンピューティングサービスの取り扱いについては、「ものすごく可能性を感じており、当社の経験を生かしてソリューション化していきたい」と力を込めた。
アカマイは、コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)、セキュリティー、クラウドコンピューティングの三つの事業を展開している。最近はセキュリティー事業において、ゼロトラストやマイクロセグメンテーションといった製品の提供に注力しており、日隈社長は「これらの製品を提案していく中で、構築支援や運用サービスといったパートナーと一緒でなければできない部分が増えてきた。(クラウドコンピューティング事業の強化にあたり)マネージドサービスの提供などパートナービジネスが重要になる」と述べた。
(岩田晃久)