サイオスは2月26日、記者説明会を開き、中期経営計画(2025~27年)を説明した。生成AIの自社製品への組み込みや社内利用の拡大などを成長の原動力とし、27年12月期は売上高225億円、営業利益3億1000万円を目指す。
喜多伸夫 社長
自社開発のSaaS製品を販売するプロダクト&サービス事業ではワークフローシステム「Gluegent Flow」などに生成AI機能を組み込み、製品競争力を強化する。すでにタスクの要約の作成といった機能を実装しているという。喜多伸夫社長は「他社製品との機能連携の拡充に加え、販売パートナーの開拓で販路を広げていきたい」と意気込んだ。
情報システムの企画や開発、運用を支援するコンサルティング&インテグレーション事業では生成AIの社内利用を拡大し、生産性の向上につなげる。顧客に対する「Azure OpenAI Service」の導入支援サービスに力を入れるほか、活用支援も強化。3月4日にはRAGの構築や改善などのノウハウに関するセミナーを開催した。
API連携を介したシステム構築も拡大する。同日にScalarとの協業をスタートし、同社が提供するデータマネジメント製品のサポートを開始。複雑なシステム環境下にあるデータの管理を効率化する。このほか、APIを介した複数AIの活用を実現するシステムの設計や開発、運用をサポートするサービスの提供にも注力する。
25年12月期の連結決算は、売上高が前期比7.6%減の190億円、営業利益が前期比99.5%増の7000万円を想定する。売上高に関しては子会社であるサイオステクノロジーの金融機関向け経営支援ソリューション「Profit Cube」事業を譲渡した影響で減収の見通しだが、営業利益に関しては事業を整理し、成長性が高い事業に集中する体制を整えたことで2倍増を見込むとした。
(大畑直悠)