サイボウズは2月27日、2024年12月期の決算・事業説明会をオンラインで開催し、オフィシャルパートナーが500社を突破したことが報告された。青野慶久社長はエコシステム拡大に向けた取り組みの一つとして、アーリーステージ以降のスタートアップ企業に出資するコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)の「kintone Teamwork Fund」を紹介し、今後も特色のあるパートナーの拡充を図る考えを示した。
青野慶久 社長
同社のパートナービジネスは拡大傾向にあり、パートナー社数のほか、連携サービスも増加し、現在は400以上となっている。国内クラウド領域の間接販売の売上高は前期比23.7%増の165億8700万円と好調で、国内クラウド売上高全体における間接販売の比率は64.7%と前期の62.9%を上回った。青野社長は「エコシステムの拡大が私たちのビジネスの根幹であり、引き続き広げたい」と意欲を示した。
kintone Teamwork Fundはノーコードツールの「kintone」などサイボウズ製品との事業シナジーが見込める協業先への出資を目的に23年7月に発表され、24年は法律事務所向けにセミオーダー型kintoneサービス「クラウドバランス」を提供するFISTBUMPなど4社に出資した。出資の方向性については▽生成AIをはじめとする新技術活用▽業界特化▽グローバル市場向け─の3点を重視し、いずれかの要素で特徴のある企業を支援している。
エコシステム関連では、kintoneと基幹系システムとの連携にも言及。24年10月には、オービックビジネスコンサルタント(OBC)の「勘定奉行クラウド」との連携が開始し、奉行クラウド内のデータを活用した周辺システムの開発が可能となっている。青野社長は「低価格で柔軟な基幹システムと周辺システムがつくれる時代が近づいている。(連携を)今年も広げていきたい」と述べた。
24年12月期の業績は、連結で売上高が16.7%増の296億7500万円、営業利益が44.1%増の48億9200万円、純利益が42.8%増の35億5500万円となった。11月からの製品価格の改定が寄与した。中期の売上高目標も公開し、28年12月期の予測値として480~500億円、さらに挑戦的な数値として23年度から倍となる509億円の突破を掲げた。達成に向け、現在注力する大規模導入の推進や機能拡張、グローバル展開の強化に取り組むとした。
(藤岡 堯)