サイボウズは11月7日、年次イベント「Cybozu Days 2024」を開催し、ノーコードによるアプリケーション開発基盤「kintone」に生成AI機能「kintone AIアシスタント(仮称)」を発表した。kintone上に格納されたデータを組織横断的に活用できるように支援する。
kintone AIアシスタントは、kintoneでつくったアプリ内のデータを自然言語で検索できる機能。kintoneをデータ蓄積の基盤として活用し、案件情報や問い合わせ対応履歴といったさまざまなアプリの情報を抽出して有効活用できるとした。また、各部門で活用されるkintoneとkintone AIアシスタントを組み合わせることで、部門を越えたデータ活用が可能になるという。外部システムのデータをAPI経由で連携可能にすることも発表し、幅広いソースのデータを扱えるようにする計画だ。
青野慶久 社長
管理者向けには、検索対象とするデータソースやフィールドを設定したり、アクセス権を制御し、ユーザーの権限に応じた回答を生成可能にしたりできる機能を提供。定型のプロンプトをあらかじめ登録し、回答の精度を高めることも可能だ。
青野慶久社長は「パートナーにはデータを(kintone上に)整備し、有効に活用できるように支援してほしい」と呼びかけた。さらなるAI機能の開発にも取り込んでいるという。
生成AIを活用した機能は同社のパートナーからも提供されている。ショーケースはkintoneを自然言語でカスタマイズできる「Associate AI Hub for kintone」、Umee Technologiesは音声データを議事録に変換しkintoneに登録する「Front Agent」を販売するなど、パートナーの商機拡大にもつながっている。
エンタープライズ向けビジネスの拡大に力を入れる方針も強調した。2024年にリリースした大企業向けのライセンス「ワイドコース」では、新たにアプリを統合分析する機能を発表。管理者が不足しているアプリを明示したり、アプリ間の参照関係を可視化したりする。各アプリのパフォーマンスを可視化し、改善を支援する「性能ダッシュボード」も発表した。
青野社長は「kintone上にさまざまな情報を集約することで業務の上流から下流までつなげる。このためには各アプリのガバナンスの確保や部門ごとに利用度の濃淡がつかないようにすることが重要」と語った。
(大畑直悠)