ソリマチとソフトバンクは3月13日、全国の商工会と商工会に加入する中小企業・小規模事業者向けのDX支援で協業すると発表した。ソリマチが商工会向けに提供する会計システム「商工会クラウド」に、ソフトバンクを通じて生成AI機能を搭載し、業務効率化を図る。
搭載する生成AI機能については「Azure OpenAI Service」や、ソフトバンクが提供する「TASUKI Annotation RAGデータ作成ツール」の利用を想定している。2025年4月には、商工会クラウドの機能として商工会が会員事業者に発行する「月次報告書」内に「AI診断レポート」を追加する。事業者の会計データなどを基に、業績の分析や改善提案などをAIがまとめ、レポート案を自動生成する。
25年9月には、商工会が会員事業者の記帳業務を代行する際に、事業者側から商工会側へ渡す書類の提出期限をAIが自動でリマインドする機能や、問い合わせ対応でのチャットボット機能が追加される見込みだ。
このほか、商工会クラウドが事前にインストールされたスマートフォンやタブレットなどのデバイスを、ソリマチを通じて商工会や事業者向けに販売する。開始時期は未定となっている。
同日の発表会では、すでに2社が取り組んでいる協業事例についても言及。24年7月には、ソリマチを中心とした企業グループの1社であるキャリアサクセスが運営するコールセンターでAzure Open
AI ServiceのPoCを実施し、サポート業務の効率化を図っているという。
今後の事業戦略としては、農家やクリニックなどの小規模事業者への訴求や、ソリマチがソフトバンクと取り組んでいる効率化やデータ環境構築の事例を、中堅・中小企業へ横展開することを検討している。
ソリマチ
反町秀樹 社長
ソリマチの反町秀樹社長は「“小規模事業者にAI革命を”ということで、今回(ソフトバンクと)協業することになった。これを皮切りにいろいろなテーマで協力し、AI革命に遅れている人たちを応援していきたい」と話した。
(大向琴音)