セゾンテクノロジーは8月22日、記者説明会を開き、ウイングアーク1stとエイトレッド、サイボウズの3社と協業し、独SAP(エスエーピー)のERP製品のモダナイズを支援すると発表した。同社が提供するデータ連携基盤「HULFT Square」を介してERPと各社が提供するSaaSをつなぎ、ERPのアドオンの開発を最小限に抑えることで、マイグレーションを効率化するとした。
具体的には、ウイングアーク1stのデータ分析基盤「Dr.Sum」「MotionBoard」や帳票作成・運用製品「SVF」、エイトレッドのワークフローシステム「AgileWorks」「X-point Cloud」、サイボウズのノーコード開発基盤「kintone」をHULFT Squareによるデータ連携機能を通してERPと疎結合させる。これにより、押印が必要な承認フローなど、日本固有の商慣習に対応するためにこれまで必要だったERPのアドオンを減らし、開発や運用のコストを削減する。また、ERPのコア機能に手を加える必要がないため、将来のバージョンアップ時の負担の軽減にもつなげる。
HULFT Squareとエスエーピー製品との連携は、クレスコ・イー・ソリューションと共同開発した、「SAP S/4HANA」とのOdata(Open Data Protocol)接続に対応する専用のコネクターを用いる。コネクターは2025年秋にリリース予定だ。
今後はHULFT Squareを用いて各社のSaaSとERPを接続する構成をERPのモダン化ソリューションとして、SIerなどERP構築のパートナーとなる企業向けに提供する予定で、セゾンテクノロジーが中心となってメニュー化を進める。取り組みに参画する国産SaaS企業の開拓にも力を入れる。
石田誠司 常務執行役員
取締役で常務執行役員の石田誠司・営業本部長は「SIerはソリューションがそろったわれわれのコングロマリットを採用することで、コアであるERPのマイグレーションに専念でき、コストや時間を削減できる。今回のコングロマリットを国内のエスエーピーのERP製品のマイグレーションにおけるデファクトスタンダードにしたい」と意気込んだ。
(大畑直悠)