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日立システムズ、「製造業向けアシスタントAI」の提供を開始
2025/08/28 15:57
同社では、これまで公共・社会インフラ、金融、産業・流通の顧客を中心にさまざまな顧客の課題を、先進の情報技術を用いて解決してきた。今回、そのなかで蓄積してきた業務ナレッジと生成AIを組み合わせ、さまざまな業種の固有業務を自動化することで、フロントラインワーカーの業務効率化を支援するアシスタントAIサービスを提供する。
第1弾の製造業向けアシスタントAIは、製造業特有の業務(製品仕様に基づく対応可否判断、順守すべき各種法令・項目確認など)の支援を行うアシスタントAI。顧客の社内環境に存在するデータと生成AIを組み合わせ、設計図の品質チェック、過去のヒヤリハットの把握など製造業固有の業務を効率化する。
主な特徴として、ITスキルの習熟度に関わらず、多くの人が直感的な操作で利用できるようなUI・UXで設計。製造業のフロントラインワーカーが、頻繁に行う業務についてはテンプレート化して標準搭載しているため、AIに指示を出すためのプロンプトを都度入力する必要がなく、誰でもすぐに使うことができる。
顧客の自社クラウド上に生成AIが稼働する実行環境を構築するため、顧客の社内クラウド上のデータや、各種社内システムとの連携が可能。これにより、顧客がもつ業務のナレッジを生かして、より複雑な課題の解決をサポートする。
プライバシー保護機能を搭載しており、入力したデータが大規模言語モデルの学習に使用されることを防ぐ。さらに個人情報を含む質問はシステムが検知・警告する仕組みを搭載しており、社内のユーザーごとにセキュリティーリテラシーに差がある場合でも、システムによって不適切な利用を防止することをサポートする。
また、「Microsoft Defender for Cloud」など マイクロソフトのセキュリティーサービスを活用することにより、安全・安心の運用基盤を実現。複数の認証要素を組み合わせた高度な多要素認証を採用することで、不正アクセスなど社外のリスクも大幅に低減する。
サービスの提供体系としては、試行フェーズ、調査フェーズ、本番検討フェーズなど顧客の検討状況に合わせ、三つの導入支援パックをラインアップしている。「まずは特定の業務から生成AIを試験導入してみたい」といったスモールスタートも可能。伴走型で導入を支援することで、アンケートで多く寄せられた「生成AI導入のハードルが高い」「社内データを使った生成AIの活用方法がわからない」といった顧客の悩みに寄り添い、生成AI導入をサポートする。
参考価格は、「スターターパック」の初期費用が19万8000円、月額費用が10万円から。「アセスメントパック」の初期費用が400万円から、月額費用が10万円から。アドバンスパックの初期費用が300万円+個別見積もり、月額費用が39万8000円から。
同サービスを利用することで、製造業の現場で約32%の業務効率化や社内ナレッジの共有を実現する。これにより、離職率の高さや人手不足が問題視される製造業で、フロントラインワーカーの業務効率化やベテラン技術者の引退にともなう技術継承、ヒヤリハットのデータ化による労働災害未然防止などに貢献する。
日立システムズは、製造業向けアシスタントAIを皮切りに、営業向けアシスタントAI、健康データ分析向けアシスタントAI、プロジェクト支援向けアシスタントAIなど、業種に特化したサービスを展開し、27年度中にアシスタントAI関連で100億円の売り上げを目指す。
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外部リンク
日立システムズ=https://www.hitachi-systems.com/
「製造現場アシスタントAI」=https://www.hitachi-systems.com/dx/generative-ai/ai-assistant/