地方公共団体への電子入札システムの本格的な導入・普及に向けて、日本建設情報総合センター(JACIC)は、電子入札コアシステムの提供価格を大幅に引き下げることを決めた。

 政令指定都市以外の大多数の市町村への提供価格は、わずか500万円。都道府県レベルでも1500-2000万円という水準となった。

 しかも、都道府県と市町村が共同利用する場合には、さらに有利となる。例えば、人口が500万人未満の県が、県下の10の市町村を共同利用する場合、県の分の1500万円に1市町村分の500万円をプラスした2000万円だけ。県下の全ての市町村が共同利用しても2000万円で済むという価格を設定したわけだ。

 さらに、3年間の無償バージョンアップに加えて、年間保守料金も提供価格に対して年率15%程度をめざすことを決めた。提供価格が2000万円であれば、保守料金はわずかに年300万円という計算となる。

 現行の国土交通省システムをそのまま流用する当初計画では、市レベルでシステム価格は1億4000万円、保守料金は5年で約5億円といった試算も一部に報道されていた。それに比べると劇的に低下したことは間違いない。

 横須賀市(年間公共工事発注量約300億円)がNTTコミュニケーションズとの共同開発で独自に導入した電子入札システムの価格が、初期費用で1億2000万円、保守料金が年間約1000万円。それと比べても圧倒的に安い。

 「電子入札コアシステム開発コンソーシアムに参加しているベンダーに協力を得て、この価格で提供できるということで、今回の価格を設定した」(JACIC電子入札コアシステム開発コンソーシアム事務局)。

 確かに、年間発注工事量が数十億円、数億円レベルの地方公共団体にも電子入札システムを普及させるには、導入費用が500万円ぐらいでないとなかなか難しいだろう。利用者側の立場にたって思い切った料金設定を行ったことは高く評価できる。

 ただ、気になるのは、この電子入札コアシステムに関する情報が、電子入札コアシステム開発コンソーシアムに参画している富士通やNECなどの大手ITベンダー10社以外のベンダーにもきちんと公開されるかどうかだ。

 電子入札コアシステムは、あくまでもコアシステムであって、横須賀市のケースのように市の財務会計システムにと電子入札システムを連動するためには、カスタマイズが必要になる。このカスタマイズを含めた費用がどうなるかがポイントだ。

 e-Japan関連では、情報システムの公共調達で安値落札が相次ぎ、富士通、日立製作所が公正取引委員会から警告を受ける事態に発展している。

 当初は1億円以上と言われていた見積もりが、一気に500万円になってしまったわけで、いくらマルチプラットフォームの新アーキテクチャを採用したとはいえ、ダンピング受注を彷彿させるような下がり方である。

 JACICでは、電子入札コアシステムの開発に関して第三者機関によるシステム監査を導入することを決めた。

 電子入札コアシステムを活用しながら地方公共団体のIT化をどう推進するかといった視点も今後、必要になるのではないだろうか。