.NETのエッセンス

<.NETのエッセンス>第2回 UDDI、WSDL、SOAP3つの用語を理解せよ

2003/01/13 16:04

週刊BCN 2003年01月13日vol.973掲載

XMLウェブサービスの使い方(理想編)

 XMLウェブサービスには3つの要素がある。UDDI(Universal Descrip tion、Discovery and Integration)とWSDL(Web Services Description Language)、それにSOAPである。まずはこの3つの用語解説をしよう。

 UDDIとは、XMLウェブサービスを検索する仕組みである。UDDIを検索すれば、どのようなXMLウェブサービスが、どのサイトで提供されているのかが即時にわかる。たとえそれが、地球の裏側で提供されている利用者が5人ぐらいしかいない特殊なサービスであったとしても――。

 WSDLとは、XMLウェブサービスの仕様を記述するためのXMLフォーマットである。XMLウェブサービスの利用に必要な情報はWSDLだけであり、それ以外の取り決めは不要である。たとえそれが、見ず知らずの外国企業が提供する世界で初めてのサービスであったとしても――。

 SOAPとは、分散呼び出しのためのXMLフォーマットである。データの送受信にはWWWのHTTPといったインターネット標準プロトコルを使用する。XML文書をインターネット標準プロトコルで送受信するだけの単純な仕組みなので、どのようなプラットフォームでも実装が可能である。たとえそれが、PDA(携帯情報端末)でもメインフレームでも――。

 用語が理解できたので、XMLウェブサービスがビジネスをどう変えるのかを、具体的なシナリオにのっとって考えていこう。

 旅行会社を想定する。まずはUDDIを検索して、航空券予約サービスのWSDLを取得する。これで、航空券予約サービスをSOAPで呼び出すプログラムを作成できる。あとは顧客からのリクエストに応じて、UDDIから航空券予約サービスを提供するサイトを検索し、SOAPで予約機能を呼び出して航空券を予約すれば良い。

 XMLウェブサービスで特筆すべき点は、参入障壁の小ささと接続の柔軟性である。どの企業でも簡単にビジネスに参加でき、連携する企業を自由に変更できるのだ。

 と、ここまでは理想論。実際に稼動しているUDDI(http://uddi.microsoft.com/など)を見ても、そこにはまだ航空券予約サービスは存在していない。このシナリオは最初のステップでつまずいてしまった。

 では、XMLウェブサービスは使えないのか?。答えはNOである。(1)時間が経てばサービスは揃う、(2)XMLウェブサービスにはもっと現実的な使い方もある。

 というわけで、次回は、XMLウェブサービスの使い方の現実編。

日本ユニシス インテグレーションサービス部 .NETビジネスディベロップメント 尾島良司

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