数字で見る中小企業のIT天気図

<数字で見る中小企業のIT天気図>14 ERPは年商規模に比例して導入率高い

2003/02/10 16:04

週刊BCN 2003年02月10日vol.977掲載

 ここでのERPは必ずしもすべてのモジュールをフル装備した統合基幹業務システムではなく、業務系アプリケーションを同一のデータベースで利用できるようにした、広義のERPとして捉えている。

 ERPの導入率は、年商規模に比例して高くなっている。100億円以上では23.9%で、前年比較でも8.1ポイント伸ばしている。一方、10億円未満では8.7%の導入率で、前年比でも下回っている。導入検討の割合は高まっている。まだERPは比較的高年商帯の企業が中心のアプリケーションであることがわかる。ただし10億円から100億円までの中堅企業への浸透は確実に高まっているため、この層を中心に今後の拡大が期待される。

 業種別では、導入済みと検討中を合わせた導入意向では、小売業が6割を切っているが、それ以外の業種別では大きな差は見えない。とくに製造業での利用率および伸びが高い。製造業は23.0%の導入率で全業種中最も高く、伸びも約10ポイントと高い。大手製造業では導入が進んでいたERPだが、中堅・中小企業の製造業でも導入が進む。小売業の導入率は15.6%であるが、前年比較では7.1%から15.6%と大きく伸ばしている。(ノークリサーチ 伊嶋謙二)
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