数字で見る中小企業のIT天気図

<数字で見る中小企業のIT天気図>16 ASPは「運用の容易さ」と「コスト安」

2003/02/24 16:04

週刊BCN 2003年02月24日vol.979掲載

 ASPの「導入・検討」の理由としては、「(システム)運用が容易になる」61.5%、「コストが安くなる」44.0%という結果になった。2001年と比較すると、さらに「運用」、「コスト」への関心がより一層強くなる傾向を示した。「優れたシステムの利用が可能になる」は37.0%(01年)から26.1%(02年)と10.9ポイントも減るという結果になった。

 これは、中堅・中小企業の課題と言われているシステム運用力不足をASPが補ってくれる、との期待の表れだ。01年の調査では、ASP導入予定「なし・不明」の主な理由は「今のシステムで十分」40.6%、「ASPの内容・メリットがよくわからない」41.4%だった。しかし02年調査で、「今のシステムで十分」37.7%、「ASPの内容・メリットがよくわからない」35.3%などが上位要因に変わりないが低下傾向だ。一方で、「セキュリティに不安がある」(+5.9ポイント)や「本当にコストが下がるのか疑問」(+6.3ポイント)、「ASPの実績が少ないので様子見をしている」(+5.1ポイント)などの要因が増加した。企業のASPを導入しない要因として「システムへの不理解」から「セキュリティ」や「実績」への不安に、その理由が移ってきている。ASPが実際に導入してどのような効果が出るのかを検討したいという、具体的関心へシフトしてきたと考えられる。(ノークリサーチ 伊嶋謙二)
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