ロゼッタネットの大きな特徴の1つが柔軟性の高さだろう。大塚商会はロゼッタネットを使った電子カタログのデータ交換に向けて、2001年3月からNEC、富士通との間で、パソコンや周辺機器のロゼッタネット標準を実装し業務レベルでの課題と標準改善案をまとめた。電子カタログでのより実際の業務に即した標準規約の適用と拡大のために、これらの活動状況と改善提案をロゼッタネット本部に持ち込み説明することで、即座に改訂標準のリリースに結びつけた。

 ロゼッタネットが世界標準であるといっても、各国の商習慣やサプライヤとバイヤーの関係、あるいは技術革新による陳腐化に常にさらされている。このため、実際に標準を運用/評価した結果出てくる改善提案に対しては、驚くほど素直に、しかもスピードを持った対応がなされている。もちろん影響範囲などによって改善提案の審議や技術的な検証に時間のかかるケースもあるが、ロゼッタネットを使用する企業が、標準をより使いやすいように変更することに高い柔軟性を持っているといえるだろう。

 また、ロゼッタネットは電子製品の企画・設計段階から、販売、アフターサービスに至るまでのSCM(サプライチェーンマネジメント)すべての段階を標準化の対象領域としているが、参加する企業はどの段階からでも入っていけるというのも柔軟性のもう1つの観点である。大塚商会が電子カタログの作成と配布に着目したのは、自社の人間系中心で固有のオペレーションの改善と、顧客向けのソリューションとしてこの領域を注視していたことが背景にある。

 一般的にデータ交換というと受発注がイメージされるが、大塚商会ではすでにEDI(電子データ交換)などである程度の効率化を実現しているため、あえてより大きな効果を期待できる領域から着手している。企業によっては電子決済を使っても良いし、受発注だけをロゼッタネット上で行うこともできる。つまり、すべてをロゼッタネットで運営しなくても、各社の課題認識に合わせた導入が可能であり、接続先パートナーと連携しながら導入領域を選定し、ロゼッタネットに参加することができる。

 いったん仕組みができてしまうと単一業務だけではなく、他の業務への広がりも視野に入ってくる。大塚商会でも次のステップとして、顧客の要求に応えたBTO(注文生産)方式など、メーカーとの間での製品の仕様変更のデータ交換などを行えるように要求していく。電子カタログに目を戻すと、ロゼッタネットは、IT(情報機器)からEC(半導体・電子部品)、SM(半導体製造)TC(携帯電話)と、電機・電子分野を幅広くカバーし、参加する企業もグローバルに広がっている。市場ニーズや技術革新にマッチさせるためには標準の継続的な見直しが必要であり、ハイテク業界では日本企業の視点も不可欠といえる。その点で、大塚商会が進めてきたように日本企業は主導的な立場で、世界標準を構築、拡充していける立場にあるとも言える。(監修:ロゼッタネットジャパン事務局)