China 2004→2008

<China 2004→2008>1.持続的成長を支えるIT市場

2004/05/03 16:18

週刊BCN 2004年05月03日vol.1038掲載

 2003年のほぼ1年間にわたり、この欄で「中国ソフト産業のいま」という連載を手掛ける機会を与えられ、中国ソフト産業の発展状況と日本のソフト産業とのかかわりを見てきた。  そして今号からBCN編集部のご好意により、新たな中国関連の連載を始めさせて頂くことになった。テーマはズバリ、中国のIT市場全体がどのように発展していくかを展望する、というものだ。(坂口正憲(ジャーナリスト))

 2004年という現在の点と、北京五輪が開催される2008年という将来の点を“線”で結び、その線上で中国IT市場がどのように発展していくかを検証・予測する。その線上に中国IT市場を待ち構える落とし穴(リスク)があるのであれば、それも可能な限り明らかにしていきたい。

 なぜ2008年なのか。中国政府は北京五輪に向けて社会インフラの整備を進め、国内産業の育成に力を入れている。外資の直接投資を積極的に迎え入れ、国力の底上げを狙っている。

 2008年までにある程度の自律的な産業基盤を作り上げないと、持続的成長がおぼつかなくなる。13億の民を抱える中国が持続的成長を遂げるには、史上例を見ない強力な原動力が必要になる。その原動力の小さくない部分を、IT市場が担うことになるだろう。

 この連載では、ソフト分野のみならずハード分野(中国のIT産業売上高の7割はハード分野が占める)、社会インフラとして欠くことのできない通信分野まで幅広く取り上げていく。

 “市場”は政府やベンダーの動きだけを見ていても分からない。筆者が知り得る市井の人のライフスタイルや意識の変化を通じても、IT市場のリアルタイムな変貌ぶりも伝えていこうと考えている。

 もちろん中国のIT市場は孤立して存在するものではなく、日本をはじめとする世界市場とのかかわりにも注意し、2008年段階、中国は世界市場にどのような影響を与えるかを予測する。

 今回の連載はテーマが大きく、取材対象も広範囲に及ぶ。しかも不確定要素が多い。折しも、北京でSARS(新型肺炎)で再発したというニュースも出ている。何が起こるか誰にも分からない。

 筆者の身に余るテーマだということは重々承知している。それでも、読者の方にとって有益な情報をできる限りお届けしたいと考えている。
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