今年4月にNECの「IPセントレックサービス」の一部を約1500万円で入れたメディアドライブは、システム再構築前に同サービス導入による年間のコスト削減額を試算している。その内訳は、同サービスの「ユニファイド機能」による不要通話の削減(約180万円)のほか、IP網を通じた同社拠点間の「テレビ会議」による打ち合わせ用の出張旅費で年間約480万円、事務所内の衣替えに伴うIP-PBX(構内交換機)の移動工事費約100万円および運営・保守費──など。削減額は合計で約1200万円になることがわかった。

IP網に乗せたCRMを検討

 システムを担当する青柳孝則・営業本部ITネット事業統括マネージャ兼ITネットグループリーダーは、「新ソフトウェアの開発が佳境を迎えるたびに、本社(東京都港区)から埼玉県熊谷市の研究所や岐阜県大垣市の開発室にたびたび出張しなければならなかった。それが、テレビ会議システムの導入でほとんど不要になった」と、時間と費用の節約効果に喜びを隠さない。

 メディアドライブによると、同社では月間で延べ200人が拠点間を移動している。同社は今後、コンシューマ市場に多数のソフトを売り出す予定で、新ソフトが増えれば旅費のコストが増大する一方だったという。今では、同社管理職のすべてにパソコンカメラ(40台)を配置。NECの「ソフトフォン」のテレビ会議でコミュニケーションを図っている。

 メディアドライブでは現在、ユーザー登録者やコールセンターの情報、パソコン量販店での販売実績などのデータを「販促的に使う」(青柳リーダー)ためにCRM(顧客情報管理)に分析システムを付加した新システムを検討中だ。今でも、親会社のエヌジェーケー(NJK)がメディアドライブ用にカスタマイズしたCRMは存在するが、汎用性がなく、単に顧客情報を登録するだけにしか使われていない。

 これらのデータ分析結果をIP網に乗せ、全国の量販店などに営業で歩く担当者がダイレクトに検索できる環境にし、顧客ニーズや売れ筋商品などの情報をもとに営業を行う体制を作り出そうとしている。また、CRMに加え、ソフトの仕様書や設計書、社内文書などを電子データ化するファイリングシステムをIP網で管理する方法も検討項目の1つだ。NECは、メディアドライブに限らず、同サービスを導入した企業に対して、IP網に乗せる各種アプリケーションを用意。すでにCRMの「IPコンタクトセンターパック」やファイリングの「高速文書閲覧システム」といった商品もあり、今後、メディアドライブに対しても、提案していく計画だという。(谷畑良胤)