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東京市場、順調なスタート 昨年末からの追い風続く

2005/01/10 16:04

週刊BCN 2005年01月10日vol.1071掲載

人気を集める楽天

 2005年の東京市場は順調なスタートを切った。海外株式の強調、外国人投資家の高姿勢など東京市場には昨年末から追い風が吹いている。しかも、4月からのペイオフ全面解禁を契機にリスク資産選好の動きが個人の間に広がる可能性が大きくなっている。国内景気腰折れ、円高といった懸念材料はあるものの、株式市場への流入資金が一段と厚みを増すことを考えると、調整局面をはさみながらも株価は上昇波動を描くことになりそうだ。

 そうしたなか、昨年末から人気を集めているのが楽天。12月末に1対10の株式分割を実施。最低売買金額は約10万円とそれまでの10分の1に低下、購入しやすくなったことと流動性の高まりを好感して株価は上昇。昨年4月の高値94万円台を実質更新して時価総額は初めて1兆円の大台に乗せた。新興市場のジャスダックのなかでは最大規模。ネット証券、旅行サイトなど積極的な買収戦略、プロ野球参入による知名度アップによる利益成長期待が背景だが、今年の株式市場におけるネット関連株の活躍期待の象徴として注目だ。

 インターネット人口は6000万人超と総人口の約半分を占めるほか、家庭でのブロードバンド利用者は2000万人超に達している。こうした本格的なネット社会到来のなかで、例えばネット広告市場は03年の1180億円に対して04年は1500億円超に増加した模様。それでも総広告費に占めるネット広告の比率は2%に過ぎず、米国の5%、韓国の4%を大きく下回る。ネット広告の市場規模は08年には3000億円に膨らむとの観測があるが、控えめな数字といえる。

 ネット関連株としてはソフトバンク、ヤフー、楽天が代表的だが、「scope」で取り上げたオプトなど広告代理業、さらにネット調査のマクロミルなど幅広い。(有賀勝久)
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