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音声認識技術に関心

2005/08/08 16:04

週刊BCN 2005年08月08日vol.1100掲載

アドバンスト・メディアが急騰

普及拡大見込める有望市場


 6月末に東証マザーズに新規上場したアドバンスト・メディアという会社。公募価格16万円に対して初値は70万円、その後135万円まで上昇するという驚異的な人気になった。これは「音声認識」という同社の事業の成長性に期待してのもの。

 音声認識技術はNECなども手掛けているが、アドバンスト・メディアの製品は、不特定話者の音声を認識できることが最大の強み。愛知県で開催されている「愛・地球博」では4か国語に対応した接客ロボット「アクトロイド」向けに音声認識エンジンを提供するなど技術力は折り紙付き。

 アドバンスト・メディアは音声認識エンジン「アミボイス」を米国のソフトウェア会社とともに開発。同社はそれをもとに音声認識受託開発やソフトウェアの開発を行う。今までに手掛けたソフトは、カスタマーセンター向けに顧客からの通話を録音後、文書化し、検索できるようにするソフトや、営業担当者が外出先から携帯電話で営業日報を作ることができるソフトなど多彩。特に音声入力で電子カルテを入力するソフトが好評で、すでに500施設に導入済みという。

 この音声認識技術。高齢化社会が進展するなか、医療・介護現場をはじめ、オフィスの無人受付システムや会議の議事録自動作成、カーエレクトロニクス分野から駅の自動販売機などの領域まで、幅広い普及拡大が期待される有望市場。株式市場でもその成長性から関連企業が人気を集めそうだ。

 NEC、東芝は音声認識ソフトを発売中。富士通はアドバンスト・メディアと共同で音声認識ソフトをハードウェア化し、LSIに実装している。日立製作所は車載情報サービス用音声対話システムを開発。シャープは音声認識ロボットを開発中。KDDIも研究所で音声認識サーバーを開発するなど、各企業がこの分野に参入している。(有賀勝久)
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