年頭所感

【2006年 年頭所感】 アイティフォー

2006/01/09 20:37

週刊BCN 2006年01月09日vol.1120掲載

「高品質のさらなる追求」

須賀井 孝夫社長

 ITの信頼性が従来にも増して問われる年になる。ITは企業活動や社会活動の基盤を支えるだけに不具合を起こせば、大きな混乱を招く。こうした事態を避けるためには、さらなる高品質の追求が欠かせない。ハードウェアやパッケージソフトの価格が大幅に下がっているだけに、この分をシステムの二重化やバックアップ、セキュリティ対策など信頼性を高める領域に投資すべきだ。

 顧客はややもすれば、コスト削減を強く求める傾向にある。だが、基本的なシステムの品質や信頼性を削ってまでコスト削減に応じてしまうのは危険だ。ITベンダーは品質や信頼性を確保したうえで、コスト削減の要望にできる限り応じる必要がある。仮に、一定の水準を満たせない恐れが出てきたときには、要求されたシステムの機能を一部外したり、次回に見送る必要があると顧客に進言し、品質の確保に努めなければならない。この点を履き違えたコスト削減は顧客やベンダーともにメリットがない。

 例えば、自動車は物価に比べて安くなったとはいえ、安全基準が満たせなくなるようなコスト削減は行っていない。IT業界も、品質や信頼性を揺るがすようなコスト削減をしてしまうと、削ったわずかなコストとは桁違いの損害をこうむることもあり得る。このことを十分に顧客に説明し、高信頼性、高品質のシステム提供に努めることが、ITベンダーの社会的な責任として求められている。
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