未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業 

<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>67.ビッツテージ

2006/03/06 20:43

週刊BCN 2006年03月06日vol.1128掲載

コンタクトセンターに特化

 ビッツテージ(丸山勇人代表取締役)は、コンタクトセンターで使われる情報システム向けのソフト開発を強みにする。

 主軸製品である電話やメール、ウェブサイトからの相談・問い合わせ履歴の一括管理パッケージソフト「inspirX(インスピーリ)」は2002年の発売以降、ユニクロや日興コーディアル証券など70社に納入した実績を持つ。競合ソフトに比べ導入スピードが速いことから、顧客を一気に増やす新興企業にとくに評判が良いという。インスピーリのほか、同社は勤怠管理ソフトや、実務担当者の業務レベル分析ツール、コンタクトセンターシステムのASPサービスをラインアップ。コンタクトセンターに特化したソフト作りに経営資源を集中している。

 「コンタクトセンター向けソフトのラインアップを当社以上に持っているソフトメーカーは他にはいない」と、丸山代表取締役は製品の豊富さを差別化ポイントとして強調する。また、同社の親会社であるバーチャレクス(丸山栄樹代表取締役)がコンタクトセンター業務のアウトソーシングサービスを手がけており、「親会社との連携により顧客の実業務を知ったうえで製品を開発できる」ことも他社にはない強みとしている。

 起業のきっかけは、創業当時に販売されていた競合ソフトが、大規模なコンタクトセンターにしか合わないと感じたからだ。コンタクトセンター業界は、「50席以下が全体の75%を占めている」(同)など小規模なコンタクトセンターが圧倒的に多いという。それにもかかわらず、市場で販売されているソフトは小規模企業ではコスト、導入期間の長さの面で、壁が高すぎると感じたわけだ。

 「ビジネスが急速に伸びていれば、当然顧客からの問い合わせ・相談も増え、コンタクトセンターに求められる重要性も増してくる。ゆっくりとシステムを作っていれば顧客は逃げていく」と丸山代表取締役は、導入スピードの速さがコンタクトセンターにとって重要と説いている。システムを一から作るのではなく、コンタクトセンターシステムの運用代行ASPサービスをメニュー化したのも、迅速に顧客がコンタクトセンターを開設できるようにするためだ。

 およそ1年前からは、直販に加え間接販売も開始。販売代理店は約10社集まっている。「商材は揃った」(同)ことから、直販、間接販売ともに営業力の強化を目下の重点課題にあげている。(木村剛士)
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