フォスター電機の株価は2.5倍に

 携帯音楽プレーヤー「iPod」の好調な売れ行きを反映して、株式市場でも関連株が人気になっている。

 例えば記憶媒体であるNAND型フラッシュメモリで韓国サムスン電子と2強を形成している東芝。今後3年間で2兆円強という強気の設備投資計画を打ち出しているが、そのうち半分はNAND型フラッシュメモリをはじめとした半導体分野に振り向けるという。東芝の株価は2005年の約2倍に上昇。今年5月以降の株式市場全体の波乱のなかでも1月高値(815円)から10%弱の下げと調整は軽微で、フラッシュメモリの好調による業績拡大期待が株価を支えている。

 化学大手の昭和電工は6月に入って06年12月期業績を上方修正した。その要因は携帯音楽プレーヤー向けのHDD基板の好調。全売上高に占める電子部品・情報関連分野製品のウエートは15%程度まで上昇している。

 このほか「iPod」関連の部品を供給する企業では、磁気ヘッドのTDK、ガラス磁気メモリディスクのHOYA、日本航空電子、日本発条などが挙げられる。

 業績が様変わりしてきたのがフォスター電機。「iPod」用のヘッドホンを単独でOEM供給している。20年前のソニー初代「ウォークマン」登場時に生産能力が整わず大口受注を逃がした苦い経験があり、高品質製品の安定供給体制を整えて、今回の受注獲得を狙っていた。当初の月産200万台が現在は1000万台に。今年春の中国工場に続いて秋にはベトナム工場が稼働することで、月産1500万台に拡大する。06年3月期の売上高660億円のうちヘッドホン事業の割合は約4割、07年3月期には売上高予想730億円の5割に近づく見通しだ。10年3月期以降には売上高1000億円を目標としている。業績飛躍を受け、株価は昨年以降、2.5倍以上に値上がりしている。(有賀勝久)