生産管理システムを刷新

パッケージ活用しオープン環境へ

 ワイヤーハーネス製造をメインとする日進電装(横浜市、須藤伸一社長)は、今年4月、生産管理システムを刷新した。1990年代前半から日本IBMの統合アプリケーションサーバー「AS/400(現iシリーズ)」上で生産管理システムを運用していた。だが、「10年余りも前に導入したシステムでは他のシステムとの互換性や将来の拡張性などで限界が見えた」(須藤社長)ことから日本IBMのPCサーバー「xシリーズ」をベースとする新システムへの移行を決めた。

 新システムは、川崎市が本社のソフト開発会社・オーパシステムエンジニアリング(AUPA、南出健一社長)の生産管理パッケージ「Working.NET(ワーキングドットネット)」をベースにカスタマイズした。従来の独自OSをベースにしたものではなく、ウィンドウズ上で動くシステムだ。

 AS/400時代から継続的な交流があった日本ビジネスコンピューター(JBCC)や生産管理システムの開発で有名なリード・レックスなど複数のITベンダーが推奨するシステムも検討したが、日進電装が要求する仕様とITベンダー側が提示する価格の折り合いがつかずに断念。AUPAの提示価格が手ごろだったことから発注が決まった。発注総額はソフトサービスやハードウェア込みで総額約2500万円。

 システム導入に当たってコンサルティングを担当したITコーディネータの田中渉・PA情報システム社長は、「大手有名ベンダーに見積もりを依頼したが、今回の予算の倍額になるケースもあった。中小企業向けで使い勝手のいい生産パッケージソフトが意外に少ないことを痛感した」と、安くて完成度の高いソフトが不足していると訴える。必要十分な機能をカスタマイズなしで備えるとともに、将来の拡張性に富んだパッケージソフトが求められている。

 ウィンドウズベースのオープン環境に生産管理システムの移行を今年4月に完了した日進電装では今後、従来のシステムでは連携が容易でなかったEDI(電子データ交換)やICタグを使った周辺システムの拡充を進めることでIT活用のスピード化を図る。

 国内のワイヤーハーネス生産は、多品種少量で短納期、産業用ロボットなど電線や情報回路が複雑に入り組む特殊用途などに限られつつある。同一型式のものを大量生産する仕事は人件費が安い中国など海外の生産拠点に委託するケースが多いためだ。日進電装も例外ではなく、小ロットで短納期の生産を効率よくこなしていくことが業績拡大に欠かせない要素だと考えている。

 効率化には、生産管理システム本体のオープン化だけでなく、受注の窓口であるEDIの活用とICタグを使った出荷・納品管理の徹底がカギになる。(つづく)(安藤章司●取材/文)