IT Stock Frontline

アップルの「iフォン」が話題

2007/01/29 16:04

週刊BCN 2007年01月29日vol.1172掲載

部品供給企業の株価が急騰

 米国株式市場で話題を集めたのがアップルの携帯電話機への参入表明だ。「iフォン」は携帯音楽プレーヤー「iPod」の機能や、タッチ式の液晶画面、ヤフーなどと組んだネットサービスなどが特徴。「iPod」が大ヒットしたこともあり、株式市場の反応は敏感。アップルの株価は発表から2日間で10%強上昇して過去最高値を更新した。

 「iフォン」の価格は1台499-599ドルで、米国では7月に出荷開始の予定。欧州、アジアでも順次販売して日本では来年に発売する予定という。販売が直営店ではなく通信事業者の店舗が中心になることの不透明感など不安材料はあるものの、とりあえずは期待感が先行した格好だ。

 東京市場も「iフォン」発表にすかさず反応した。音響機器のOEM(相手先ブランドによる生産)専業のフォスター電機(東証1部)が急騰。同社は携帯電話、携帯音楽プレーヤー向けヘッドフォンではトップクラスで、「iPod」向けにもヘッドフォンを大口供給している。昨年秋にベトナム工場が稼働、ヘッドフォンの生産能力を1.5倍に拡大させている。米シリコンバレーにIT企業をターゲットにした営業拠点を開設しており、今後の事業拡大に期待が高まった。

 小型タッチパネルを手がける日本写真印刷(東証1部)も、アップル社が「iフォン」で同社のタッチパネルを採用する方向とみられて株価は急騰した。同社のタッチパネルは携帯ゲーム機やカーナビなどで幅広く使われており、タッチパネル事業の売上高は2006年3月期の約85億円が07年3月期には100億円規模になるといい、成長が続いている。

 また、携帯音楽プレーヤーの記憶媒体として使われるフラッシュメモリで、韓国サムスン電子とシェアを分け合う東芝の株価も堅調となっている。(有賀勝久)
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