先端技術ベンチャーに門戸開く

 ジャスダック証券取引所は先端技術の実用化を目指す企業を対象とする新市場を9月をメドに開設する。ベンチャー企業など成長企業向けの市場としては、設立が最も古いジャスダックのほか、東証マザーズ、大証ヘラクレス、さらに名証セントレックス、福岡Qボード、アンビシャス(札幌)と乱立。上場企業の誘致にしのぎを削るが、昨年のライブドア事件にみられるように上場企業の不祥事も目立ち、上場審査厳格化の動きも一部でみられる。新興企業に対する投資家の信頼が低下するなか、新市場の動きが注目される。

 新市場のポイントは、(1)上場申請会社は中立的な有識者による技術評価書類を提出。それを取引所が新設する技術評価機関が技術評価を行う(2)経営計画などの進捗状況、今後の見通しなどの開示を義務づけ、成長する可能性があるかどうか──が上場の判断基準になる。現在のジャスダック市場は、利益で「最終黒字または経常利益5億円以上」、純資産で「連結で2億円以上」という基準があるのに対して、新市場はそれぞれ「赤字の場合は黒字化の見通しを確認」「プラスまたはゼロ」と緩く、成長を目指す企業の資金調達の場というベンチャー市場本来の機能に重点を置いている。

 一方で、投資家保護にも配慮して上場廃止基準も厳しくする。基幹事業をやめて活動を停止した場合、3年以内に新技術や事業を展開しないと上場廃止にする。また、上場申請時に提出した事業計画の進捗状況についての情報公開を徹底させ、「上場後」「退出」について明確なルールを明示するのが特徴だ。

 新市場の創設によって、「起業して初期の段階の本来のベンチャー企業が登場してくる可能性」が期待される一方で、「技術だけでは商売にならず、企業の評価は将来どれだけ利益を出せるかだ」との声も聞かれる。(有賀勝久)