市場退出ルールで株主に信頼感

 ジャスダック市場の株価指数が6月1日まで10日間連続高を記録するなど、低迷の続いた新興株市場がようやく回復に向かい始めた。

 2006年1月のライブドア事件以来、新興株市場はまったくいいところがなかった。楽天、インデックス、USENといった主力企業が拡大路線に行き詰まるなどして株価が大きく下落。また、相次ぐ業績の下方修正や会計不信から、新興企業は投資家の信頼をすっかり失ってしまった。新興株がいかに大きく下げたかを示すものがPER(株価収益率)の水準。PERとは株価が1株利益の何倍まで買われているかを表すが、6月初めには19倍台(昨年初めは40倍台)と東証1部とほぼ同水準にまで低下した。「成長」を買うべき新興株が「成長性なし」と判断されてしまったということだろう。

 そうした新興株市場に転機が訪れた。きっかけの一つは、投資家の信頼を失った企業を市場から退出させる動きが出てきたこと。東証はマザーズ上場のインターネット総合研究所を、大証はヘラクレス上場のサンライズ・テクノロジーをそれぞれ6月末で上場廃止にする。両社ともに情報開示の不備が上場廃止の理由だが、サンライズの場合、01年の上場直後から業績が悪化。1株1円で増資するなど、何かとお騒がせな企業だった。取引所が退出ルールを明確にしたことは評価できる。

 業績が伸び悩む新興企業が多いなかでも、独自技術を持つ企業やネット関連企業の一部には高い成長力を維持しているところも目立つ。例えば、検索連動型広告のアウンコンサルティングは07年5月期の業績を上方修正、経常利益は54%増になる見通し。SNSのミクシィの07年3月期の経常利益は前期の2.4倍、「モバゲー」のディー・エヌ・エーは同じく2.5倍に膨らんだ。(有賀勝久)