初値が「公募価格割れ」相次ぐ

 2008年のIPO(株式新規公開)がスタートしたが、初値が公募価格を下回るなど株価が急落する銘柄が相次ぎ、厳しい状況となっている。

 今年最初のIPOとなったデジタルハーツ(2月1日に東証マザーズ)は順調だった。ソフトウェアの不具合検出(デバッグ)という業態が関心を集めたほか、毎年第1号案件は人気を集めるケースが多く、同社も公募価格18万5000円に対して初値は43万円と2倍超に上昇。「新興市場は不振でもIPOは別か」と淡い期待を抱かせたが、その後に登場した企業は軒並み初値が公募価格割れ。これらの企業の業態は小売りなどで、IT分野のような急成長が期待できないという事情もあるが、市場全体の冷え込みには勝てないということだろう。

 新興市場の株価指数を見ると、東証マザーズ、大証ヘラクレスは市場開設以来の安値水準。ジャスダックは昨年来安値の水準。ジャスダックの1日当りの売買代金は300億円規模だが、これは東証1部の売買代金トップの1銘柄(2月28日はトヨタで608億円)の半分に過ぎない。多くの投資家が痛手を負っており、市場への資金流入は細っている。「損失が少ないうちに売っておこう」との動きが一段の株価下落につながり、それがまた見切り売りを誘うという悪循環に陥っている。

 2月のIPOは1社が上場延期したことから9社。3月は12社程度が予定され、IT関連ではいずれも東証マザーズだが、ネットイヤーグループ(ネットを活用したマーケティング支援)、アクセルマーク(携帯電話コンテンツ、モバイル広告)、ビリングシステム(ASP形式での決済サービス)の上場が発表されている。

 今の株価低迷が続くようだと、08年の年間IPOは昨年の121社を下回り、100社を割り込むのでないかとの見方も出始めた。(有賀勝久)