すそ野拡大の機運到来か

 SaaS(Software as a Service)関連株が株式市場で関心を集めている。情報システムの構築にかかわる負担や費用削減は、企業にとって重要な課題。そうしたなかでSaaSなどを活用して、その負担を軽減する企業が増えている。SaaS利用者はインターネット環境さえあれば、財務会計や顧客管理などのアプリケーションを利用することができる。ベンダー側がソフトを管理・稼動するためユーザーは高額なソフト購入費を抑制できる。また、SaaSは一つのサーバーを複数顧客が共有するため、データセンター経費を大幅に軽減でき、これが顧客への低価格サービスにつながっている。

 米国ではSaaS専業ベンダーが急成長中。国内でも総務省や経済産業省などが主導してASP・SaaSを普及させるガイドラインを策定。今後はソフトウェアだけでなくプラットフォームやストレージなどがネット経由で提供されるXaaS(X as a Service)へとすそ野拡大が読まれる。

 そうしたなかで、イーシステムがマイクロソフトとSaaS型CRMサービスで協業すると発表、連日のストップ高(値幅制限一杯の上昇)となり、SaaSに対する株式市場の関心の高さを裏付けた。顧客情報の管理・運用ソフトをASP方式で提供しているのがシナジーマーケティング。大手企業の案件が多いが、SaaSの知名度向上につれて中小企業の需要拡大は必至だ。インフォテリアはネット上で表計算ができるソフト「OnSheet」を提供している。このほか、ビットアイル、パイプドビッツなどが関連銘柄として関心を集めている。

 米国をはじめとした海外株式市場の波乱、為替相場の先行き不透明感から輸出ハイテク株の人気が後退しているなかで、海外要因に業績が左右されないネット関連のセクターに活躍期待が高まっている。(有賀勝久)