ノウハウ、経験、顧客視点のサービス

 インフォコム(吉野隆社長)は、昨年12月に部長クラスの幹部が集まり、「次の事業展開をどうするのか」を議論した。現在はパッケージを中心に製品を展開しているが、ASP/SaaSなどの「サービス事業」に着目した。そのサービスを中核として行う部隊として立ち上げたのがソフトウェアサービス推進部。グループ会社、別部隊の手がける商材、人材を同推進部に移行したが、保守的な考え方をする人たちを説得するのに苦労した。

 これまでの提供方法でそれなりに成功しているため、「今までどおりでいい」と、グループ内部には保守的な考えを持っている人もいる。「しかし、保守的な人物ほど実は欲しい人材だった」という。移行に苦労した面はあったものの最終的に31人の大部隊となった。

 ソフトウェアサービス推進部として最初に手がけることになったのは、コールセンターソリューションのLACTEUS(ラクティアス)と緊急通報/安否確認システムのエマージェンシーコールの2製品。「ラクティアス」は、電話機とパソコンがあれば短期間でコンタクトセンターが開設できるASPサービス。コンタクトセンター管理者向けにテナント(コンタクトセンター)の管理を行う「Configuration Manager(コンフィグレーションマネージャー)」と、コンタクトセンターの受付業務を行うオペレータやスーパーバイザーが利用するAgent Login(エージェントログイン)」の2つのアプリケーションで構成される。

 また、「エマージェンシーコール」は1995年の阪神・淡路大震災を契機に生まれた緊急通報/安否確認システムで、13年にわたる販売実績を持つ。緊急時のメッセージ通報や、災害時の安否確認をPCや携帯電話を使ってウェブや音声で行うことができる。エマージェンシーコールについては今年の1月にASP化されていて、すでにこの第1四半期での売り上げはパッケージを超えているという。

 新須哲朗部長は「サービスだけで事業が成り立つかどうかは分からない」というように、まだまだ試行錯誤の部分もある。だが、「社内に蓄積したノウハウや経験、顧客視点のセンスを生かして、事業を推進していきたい」と意欲を示している。(鍋島蓉子●取材/文)