株価下落が産業界再編招くか

 歴史的な下落に見舞われている株式市場。世界的な金融混乱に加えて、円高・景気後退を背景にした企業収益の悪化懸念が重くのしかかる。輸出企業の2009年3月期業績見通しの前提為替相場は1ドル=105円前後、1ユーロ=165円前後。それが最近ではドルが100円割れ、ユーロは130円割れしており、業績予想の下方修正が続出するのは必至。

 懸念が現実になったのがソニーの大幅な業績下方修正。10月23日に、09年3月期の営業利益を従来予想の4300億円から2000億円(前期比47%減)へと修正した。液晶テレビなどが価格競争で採算悪化したところに円高が直撃。為替見通しの変更による営業利益の減少は約1300億円に達するという。これを受けて株価は急落。2000円割れは株式分割を考慮すると1995年6月以来、実に13年ぶりのこと。ただ、この水準は解散価値を大きく下回るもので、「株を持つことが怖い」という心理がもたらした異常な状況と言える。

 また、こちらも厳しい株価の下げとなったのがエルピーダメモリ。半導体メモリのDRAM価格急落を嫌気して株価は6月の4400円台から10月中旬には1000円割れに下落、そこからさらに500円台へと急落。このエルピーダメモリに限らず、業績下方修正は株価に十分織り込まれていないことを露呈する格好となった。

 米国ではグーグルが発表した7-9月期決算は売上高、利益ともに過去最高を更新した。業績は今のところ景気減速の影響を受けていないが、先行き懸念から株価は年初の最高値からは半分以下の水準。また、米ヤフーについては株価が大きく下落。マイクロソフト側が再び買収に動くのではとの観測が出た。株価の大幅な下落によって企業の時価総額は急減しており、“魅力的な買収価格”になった企業もあるようだ。株価下落が産業界の再編につながる可能性もある。(有賀勝久)