大型買収が業界再編促すか

 世界的な消費低迷と円高進行によってハイテク企業の業績悪化が鮮明になっている。 円高の直撃を受けたのがリコー。欧州での景気悪化などから2009年3月期は15年ぶりの減収となり、営業利益は期初予想の1800億円から1500億円(前期比17%減)に落ち込む見通し。うち約170億円は為替の前提レート修正によるものだ。

 大手電機も軒並み収益が落ち込む。NEC、富士通、東芝、三菱電機は09年3月期の見通しを2ケタの減益に下方修正した。東芝は半導体部門の不振が響くほか、三菱電機はこれまでの業績好調を支えていた工場自動化システムなど産業メカトロニクス部門が落ち込む。

 携帯電話、デジタル家電、自動車など幅広い分野に納入する電子部品メーカーの業績も失速する。京セラの4-9月期の営業利益は622億円(前年同期比8%減)。米国での携帯電話不振から通信機器関連が赤字となったほかデジタル家電向けも落ち込む。

 ひとり気を吐いたのがパナソニックだ。薄型テレビの販売がアジア、欧州などで増加したほか、製品価格下落の影響は合理化効果で吸収。09年3月期の営業利益は前期比8%増の5600億円を見込む。株価は10月末の1200円台から11月5日には1700円台に上昇した。

 10月1日付で社名変更とブランド統一を行ったパナソニックが打ち出したのが三洋電機の買収。来年4月に子会社化する。充電池で世界トップの三洋電機を取り込み、国際戦略を加速させる。売上高(09年3月期予想)はパナソニック9.2兆円、三洋電機2兆円で、買収により、11兆円強という巨大企業が誕生する。

 世界的な消費低迷、そして今回の買収は電機業界の再編を加速させる可能性がある。(有賀勝久)