低迷銘柄にインパクトとなるか

 上場企業の株券を電子データに切り替える「株券電子化」の実施が、来年1月5日に決まった。これに伴い上場企業は、公募増資、合併の停止など企業活動に制約が生じる。株式市場に最も影響が大きいのはIPO(株式新規公開)。12月20日から来年2月9日まで52日間、新規上場が途絶えることになる。

 そうした停止期間を前に、12月は駆け込み的IPOが増加する。といっても9社。月間10-20社ペースが続いた昨年までと比べると寂しい数字だが、それでも今年3月の12社以来の水準となる。この結果、2008年のIPOは49社で確定した。2000年以降最低だった昨年の121社の半分以下に激減して、1992年以来16年ぶりの低水準になる。

 そうしたなか、今年のIPOを締めくくるにふさわしい大物ルーキーが登場する。12月17日に東証マザーズに上場するグリーだ。SNSの大手。会員数は700万人とミクシィの半分程度だが、売り上げの過半を有料課金収入が占めており、収益力はミクシィに勝る。09年6月期の経常利益は55億円(前期比5.5倍)と急成長中だ。公募増資の想定価格から試算した時価総額は700億円強と、東証マザーズではACCESS(550億円)を上回り3位となる。

 11月に新規上場した4社はいずれも初値が公募価格を下回る厳しい状況。グリーが人気を集め、株価が低迷している最近の上場銘柄にインパクトを与えることが期待される。

 ところで、東京証券取引所は時価総額が一定額(10億円、マザーズ市場は5億円)を下回った企業に適用する上場廃止ルールを12月末まで停止する。「市況全般の急激な悪化」の場合にルール適用を凍結できる規定を活用するもので、12月末までに基準を下回っても上場廃止の猶予期間に入らない。大阪証券取引所、ジャスダックも同様な措置を取る。(有賀勝久)