解剖!メーカー流通網

<解剖!メーカー流通網>26.アスース・ジャパン 販売チャネル開拓に意欲

2009/07/27 20:45

週刊BCN 2009年07月27日vol.1294掲載

ネットブックを携帯系販路へ

 “5万円パソコン”のネットブックの販路が、ドコモショップなど携帯電話系の販売チャネルへ広がりつつある。今のパソコン流通の主役は全国のパソコン専門店や家電量販店。これまではパソコンの値段が携帯電話に比べて高く、特有の専門知識も要ることから、販売チャネルは限られていた。だが、ネットブックは“ネットサービスを利用する”用途に主眼を置く商品。このため、アプリケーションソフトの複雑な操作や“相性”の問題も少なく、価格帯も5万円前後と安い。最新の携帯電話機との価格の差が小さく、携帯電話系の販売チャネルに適するとみられる。

 ネットブックで先行するアスース・ジャパンは、今年に入ってNTTドコモのFOMAモジュールを内蔵した「Eee PC 1003HAG」を発売するなど、無線データ通信との連携を強化。すでに一部機種をドコモショップの一部で販売しており、携帯電話系のチャネル開拓に取り組む。海外では、2008年冬、フランスの大手通信キャリアが約3億円を投じてアスース製ネットブックの大規模な宣伝を展開。自社の通信回線サービスの拡販の一環としてアスースと組んだケースである。通信キャリアはネットブックをテコにユーザーを増やし、アスースは販促費を抑えつつ実売に結びつける“一石二鳥”の効果を狙ったものだ。


 国内でのアスースは、主要製品のディストリビューションを実質的に丸紅インフォテックに任せる。パソコンメーカーの多くがダイワボウ情報システムやソフトバンクBBなど複数の流通卸とバランスよく取引するなか、アスースは、「必要とするディストリビューション網はすでに充足している」(アスース・ジャパン)とし、ディストリチャネルの拡大に慎重な姿勢を示す。一方で、ドコモ以外の携帯電話系や法人向けチャネルといったリテール系チャネルは依然として開拓の余地が大きい。丸紅インフォや通信キャリアなどと密に連携することで、販路の整備に力を入れる。(安藤章司)

 

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