解剖!メーカー流通網

<解剖!メーカー流通網>34.システムインテグレータ パートナーとエコシステム構築

2009/10/07 20:45

週刊BCN 2009年10月05日vol.1303掲載

中国市場の流通チャネルも構築

 ECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」やデータベース開発支援ツール「SI Object Browser」を自社開発するほか、複数のITベンダーがコンソーシアム形式で共同開発するERP「GRANDIT」の開発・販売にも携わるシステムインテグレータ。創業11年目に東京証券取引所マザーズに上場を果たした国産ISVの有力企業だ。

 売上高に占める割合は、パッケージソフトのライセンス販売が全体の約4割を占め、半分ほどがパッケージを導入する際に必要となるカスタマイズ開発。そのほか10%がハード販売や関連サービス事業で構成される。自社開発パッケージの開発・販売がビジネスの根幹だ。「直販が40%、販売代理店を通じた間接販売比率が60%」(梅田弘之代表取締役)でパッケージライセンスを流通・販売している。

 自社開発パッケージのなかでも主軸なのが、「SI Object Browser」と「SI Web Shopping」。「SI Object Browser」は、ほかのパッケージよりも間接販売の比率が高く、全体の70%が販社経由。ソフトバンクBBと丸紅インフォテック、ダイワボウ情報システムの“流通御三家”に、ウチダスペクトラムや翔泳社を加えた5社体制を築く。

 一方、「SI Web Shopping」の販流通網、協業体制はユニークだ。「SI Object Browser」は販社が少数なのに対し、「SI Web Shopping」では約25社を組織。国内だけでなく、中国市場にアプローチするため、中国現地企業1社と販売パートナー契約を結んでいる。このほか、オプション開発パートナーとして3社、ソリューションサービスの協業ベンダーとして4社と手を組んでいる。単純なライセンス販売およびシステム構築でのアライアンスだけでなく、開発やソリューションの創出分野でも他社と協業。さまざまな協業内容で複数のITベンダーと強固なエコシステムを構築することで、ライセンス販売を伸ばしている。(木村剛士)

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