「地域活性化に地場ITベンダーの果たす役割」とは何か。創刊1300号を数えた「週刊BCN」では、このテーマを掲げて全国巡回取材を敢行し、47都道府県の有力ベンダーの代表者からナマの声を拾った。最終回となる第4弾をお届けする。  地域経済格差が広がるなかで、地場の中堅・中小企業を活性化させる“源流”となるのはITであることを確信している。地場ITベンダーが地域活性化で果たすべき役割はますます大きくなっている。はたして各社は、この重要な役割にどう応えているのか──。

小林啓一社長
 当社は、自治体では福岡県や長崎県などにダム管理や防災無線システムなどを納品した実績をもっている。地場企業に対しては、売上高が100億円以下の会社には内田洋行の「スーパーカクテル」、50億円以下の場合はオービックビジネスコンサルタントの「奉行」を提供している。また、「スーパーカクテル」をベースに自社で開発した、鉄鋼業、鶏卵業、機械業向けのテンプレートも販売。北部九州を中心に2000社以上への導入実績がある。

 基幹業務システムは大塚商会や日本事務器などの大手ベンダーとの競争が激しく、なかなか勝てなかった。一方で、大手は一度売ってしまうとサポートに力を入れていない状況があった。

 そこで当社は、大手が手薄にしていたサポートに着目し、他社よりもサービスを充実させた。メンテナンス部隊を組織し、有償のメニューを作るなど体制を整えると同時に、問題点などを当社が聞き取り、システムを企業の運用体制に合わせるようにした。企業の体質改善を手助けするための「サポートコンサルティング」と称する施策を打つことで、最近では大手に勝てるようになった。

 ソリューション以外では、PCのリユース事業も行っている。専門子会社を設立し、富士通九州リサイクルセンターからPCを買い取って、主にネット経由で販売している。

 新たに「組み込みソフト」と「ホームページ作成サービス」も始めた。組み込みは2年前から手がけており、自動車の生産システムや銀行のATM向けソフトなどを提供している。

代表者…小林啓一 代表取締役社長
売上高…35億7000万円
利益率…1億400万円(経常利益)
主要顧客…地場企業(産業機械製造、
プラント会社、 金融機関など)、自治体
ハードとソフトの比率…3:7
県内・県外比率…7:3
 ホームページ作成サービスは、九州全域の企業を対象に売り込んでいる。サイトの制作だけでなく、SEO対策などのコンサルティングも行う。通販会社や通信販売を行う農家などへは、受注データを販売管理システムと連動する仕組みも提供する。料金は月5000~1万円程度と単価は低いが、ヒアリングの結果や営業の反応をみると、ニーズは予想以上にある。すでに地元の百貨店や食品通販会社などから受注した。来年までには5000万円程度の売り上げを見込む。