「地域活性化に地場ITベンダーの果たす役割」とは何か。創刊1300号を数えた「週刊BCN」では、このテーマを掲げて全国巡回取材を敢行し、47都道府県の有力ベンダーの代表者からナマの声を拾った。最終回となる第4弾をお届けする。
地域経済格差が広がるなかで、地場の中堅・中小企業を活性化させる“源流”となるのはITであることを確信している。地場ITベンダーが地域活性化で果たすべき役割はますます大きくなっている。はたして各社は、この重要な役割にどう応えているのか──。
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| 富士コンピュータサービスが入居しているビル |
当社の事業は、大きく分けて(1)ケーブルテレビ局関連(2)官公庁関連(3)製造・流通などの民需、となる。
ケーブルテレビ局関連では、県内外に課金を中心とした管理システムを提供。官公庁では、徳島市に健康管理システムなどの部門システムや図書館のシステムを手がけている。民需は製造業・流通業のウェートが高く、基幹業務系が主。会計給与について、基本はパッケージを提案して導入している。売り上げに占める割合は、ケーブルと民需がそれぞれ4、官公庁が2だ。
どの顧客に対しても、重要視しているのはソリューションだ。問題をできるだけ具体化して、それに対する解決策を予測効果とともに提案する。これが、私たちが顧客に提供する付加価値の部分だと思う。
課題を解決するといっても、自社ですべてできるわけではない。一番大事なのは、自社で解決できなくても、どのように解決するか、共に考える仲間をもつこと。富士通などのメーカーに協力を仰いだり、他社とのアライアンスを強化するなど、協力会社を広げることは大切だと思っている。顧客が主導する場合は別として、解決を一任された場合には、例えばISO認証の世界に精通しているコンサルティング会社などとのアライアンスもあるだろう。
ITを使って解決できる課題に対して、ソフトを作るなり導入支援をするなりして解決し、それを維持管理することが事業の中核だが、今後は顧客の課題解決ができる上流工程の人材をいかに育成していくかだ。過去の経験がキャリアデザインにつながるような施策を打っている。
代表者…久米政雄 代表取締役社長 売上高…5億2000万円 利益率…1000万円(当期利益) 主要顧客…ケーブルテレビ、官公庁、流通・製造 ハードとソフトの比率…─ 県内・県外比率…7:3 |
不況によって、製造業などの民需が落ち込んでいる。現在、来期のプロジェクト単位の具体的販売・行動計画を作っているところだ。ここを乗り切れば、顧客に心から喜んでもらえる本物の会社にステップアップできると思っている。あそこに言えば何とかしてくれると顧客に認識してもらえるような、そんな存在になりたい。(社長・久米政雄)