IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>112.シンクロン(上) 日報をスマートフォンで管理

2013/01/31 20:29

週刊BCN 2013年01月28日vol.1466掲載

 シンクロン(田中茂徳社長)は、デジタルカメラやスマートフォン、メガネなどに使用される真空薄膜の形成装置を製造する老舗メーカーである。同社は、1951年に設立され、これまで主に国内で製品を展開してきた。このところ、ターゲットとする市場を広げることを目指して、海外ビジネスの拡大に取り組んでいる。

 シンクロンは、神奈川県横浜市に本社を置き、上海や台湾、タイなど、アジア各国に拠点をもっている。海外拠点を日本本社と密に連携させ、現地での営業活動を強化しようとしている。国境を越えてビジネスを展開するにあたって、効率のよい営業活動に欠かせないのは、社員の日報をリアルタイムに管理することだ。

 同社はこれまでExcelを使って日報を管理してきた。しかし、Excelのシステムでは、営業担当者はどのように動いたとか、客先からどういう要望を受けたなどの日報情報をリアルタイムに集計することができず、上長から迅速に日報に返信することが難しかった。

 こうした状況にあって、シンクロンは、ITコーディネータ(ITC)の矢村弘道氏とともに、顧客情報や日報など、営業活動の関連情報を一元管理するSFA(セールス・フォース・オートメーション)のシステムを刷新。スマートフォンを活用し、リアルタイムでの日報管理ができる仕組みを実現した。

 新しいシステムの稼働を開始したのは、2012年の秋。シンクロンの営業担当者は、移動中にスマートフォンで日報情報を把握し、それに応じて迅速に次のアクションを起こすようになった。矢村ITCは、「効率のよい営業活動を実現するために、システムの刷新にとどまらず、営業担当者のマインドを変えることが重要だ」と語る。同氏はシステム刷新にあたって、シンクロンの営業担当チームに張りつき、「双方向」をキーワードにした情報共有のスタイルを定着させることに力を入れている。

 シンクロンは矢村ITCとともに、ホームページもリニューアルした。デザインを一新し、注力すべき海外の顧客に向け、ホームページの中国版と英語版のコンテンツを強化した。(ゼンフ ミシャ)

横浜市・みなとみらいに本社ビルを構える
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