ITコーディネータ(ITC)の私は、ITの活用に積極的な中小企業の経営者の多くが、自分のやり方が正しいのかどうかわからないという不安を抱えていると感じている。例えば、経営者が独学でITを学んでいても、ある書籍で正しいと書いてあることが、別の書籍ではそうではないと書かれていることがある。ITの専門家ではない経営者にとって、どちらが本当なのかを判断することは難しく、自信がなくなってしまう。
かつて、インテリアの販売を手がける中小企業のO2Oマーケティングを支援したことがある。経営者は、ITの活用に積極的で、独学でITの知識を身につけて、ホームページは自前で構築していた。しかし、その経営者は、「ホームページを経由して実店舗にやって来る顧客を増やしたいが、なかなか思うような成果が出ない。自分のやり方は間違っているのだろうか」と悩んでいた。私がホームページを拝見したところ、丹念につくり込まれていて、方向性に間違いはなかった。ただ、ホームページのなかのバナーを英語で表記していて、閲覧者が何のバナーなのか理解しづらかったり、経営者が運営しているブログで紹介している商品のリンクを本文中に貼っていなかったりと、細かなところで改善すべき箇所がみられた。
そこで、「基本的にはこれでいいんですよ」とほめながら、ホームページの構成を変更するのではなく、小さな改善を積み重ねていった。その結果、その中小企業は店舗に来る顧客数を増やすことに成功し、経営者は「自分のやり方は間違っていなかった」と自信をもつことができた。
とくに、新たにホームページを構築したい、業務システムを導入したいなど、多大なコストを要する場合には、経営者は社員に納得してもらう必要があるので、自分のやり方に間違いがないのか確証を得る必要性が増してくる。そうした場合に、方向性は間違っていないということについてITCが太鼓判を押せば、経営者は自信をもってIT活用を進めていくことができる。(談)(真鍋武)