私は、東京都と神奈川県の中小企業を中心に、ITを活用して企業経営を支援するITコーディネータ(ITC)だ。私が得意分野としているのは、入出荷システムなどの物流ソリューションだが、最近では、スポット案件でホームページ制作を支援する機会が増えている。
中小企業では、ウェブサイトの構築に関して、経営者と社員の間で意識にズレがあることが多い。かつて、ある支援機関の紹介でホームページの刷新を支援した中小企業では、そのズレが顕著だった。
社長は、「販売活動は営業担当者がやるものだ」という考え方で、ホームページを活用して売り上げを高めようという意識に乏しく、現行のホームページのデザインをリニューアルするだけで十分と考えていた。一方、社員はホームページ刷新への期待が高く、新しいトピックを追加するなどで、営業活動の幅を広げたいと考えていた。社長と社員の意識にズレがあるケースでは、具体的な構想がまとまらず、ITCもアドバイスをしにくい。その中小企業については、支援機関が費用を負担する専門家派遣制度で、2時間×3回のコンサルティング契約と定まっていたので、結局、支援をすることができずに、悔しい思いをした。
なかには、初めは意見が食い違っていたけれど、3回のコンサルティングを進めていくうちに、社内が団結していったケースもある。とくに、従業員10人以下の企業では、人数が少ないぶん、社内で話をまとめやすい。そうした企業には、毎回、具体的な宿題を与えて、「こういうホームページにしたい」という具体案をもってもらうようにしている。社内が一致団結さえすれば、その後のホームページの構築はほぼ成功するといっていい。(談)(真鍋武)
【ITコーディネータのプロフィール】名前:松永菜穂子
所在地:東京都調布市
所属:インサイトアイ
略歴:2008年にITコーディネータ(ITC)の資格を取得。独立系ITCの仕事のほかに、IT企業でソフト開発や導入支援を行っている。