大手グローバルベンダー各社が注力するデジタルマーケティングの市場で、オラクルはどんな強みを訴求するのか。米オラクルのエイブ・スミス・オラクル・マーケティング・クラウド エマージング・マーケット担当バイスプレジデント(VP)は、「ポイントソリューションの質の高さはもちろんのこと、カスタマエクスペリエンスに関するあらゆるソリューションに対して、包括的に連携できるのはオラクルだけ」と、総合ITベンダーとしての実力をベースに競争力を発揮できると強調する。(本多和幸)

米オラクル
エイブ・スミス
オラクル・マーケティング
・クラウド エマージング
・マーケット担当
バイスプレジデント 「オラクル・マーケティング・クラウド」の中核を成すのは、マーケティング・オートメーション・ツール、クロスチャネル・マーケティング・プラットフォーム、ソーシャルメディア管理ツール、データマネジメントプラットフォーム(DMP)の4製品だ。積極的なM&Aにより、ポイントソリューションのラインアップを拡充し、それらをオラクル・マーケティング・クラウドという統一のブランドの下に体系化したかたちだ。
スミスVPは、デジタルマーケティング市場におけるオラクルのポジションについて、「マーケッターに対してエンド・トゥ・エンドの包括的なクラウドソリューションを提供しているベンダーは、実際にはほんの一握りだと考えている。もちろん、オラクルはそのうちの1社だ」と説明する。また、「あるベンダーはCRMから、またあるベンダーはアナリティクスからというように、競合ベンダーは、もともと自分たちが得意な領域をベースにマーケティングクラウドにアプローチしていることが多い」と指摘し、「オラクルは、マーケッターの業務要件にもとづいたデータ管理をまずは基盤とすべきだと考えていて、実際にそうしたアプローチをしている」ことが強みだと主張する。
さらに、オラクル・マーケティング・クラウドを構成する各ポイントソリューション同士の連携はもちろんのこと、その周辺システムとの連携も、デジタルマーケティング・ツール導入の効果を最大化するためには重要なポイントになるという。
「われわれには多くのすばらしいポイントソリューションがあるが、それぞれがきちんと連携できなければならない。さらに、カスタマエクスペリエンスに関するその他の製品、例えばEコマース、あるいはCRM、SFAなどとスムーズに連携できるかどうかも、ユーザーにとっては製品選択のポイントになる。ここでもオラクルは競合に対して優位に立てる」(スミスVP)。
こうした戦略を裏付けるように、今年4月には、クロスチャネル・マーケティング・ツールと「Oracle Commerce」、さらにはウェブエクスペリエンス管理製品である「Oracle WebCenter Sites」との連携を発表している。