ここに注目!ニッポンのパートナー戦略
<ここに注目!ニッポンのパートナー戦略>第13回 アリスタネットワークスジャパン(下) スイッチを軸にした付加価値提案が可能
2015/12/03 16:04
週刊BCN 2015年11月30日vol.1606掲載
ネットワークスイッチ市場で存在感を強めるアリスタネットワークス(アリスタ)は、データセンター用の製品に特化する戦略をとっている。一見、ユーザー層はクラウド事業者や通信キャリアに限られるようにも思われるが、実際には一般企業にも浸透しつつあり、パートナーの役割がより重要になってきている。(日高彰)
前回紹介した通り、アリスタのスイッチはLinuxベースのOSを採用しており、複雑化が進む現代のデータセンターにおいて、ソフトウェアによる運用の大幅な省力化が可能だ。「クラウド時代のデータセンターに求められる機能をもつスイッチを提供する」というアリスタの戦略は、まさに実を結びつつある。
ただし、同社日本法人の朴文彦・代表執行役社長は「当社のターゲットは、コンピューティングリソースが集まっているところすべて」と話し、同社のスイッチは大規模データセンター事業者のためだけのものではないと強調する。例えば、社内にプライベートクラウド基盤を構築し、業務システムのクラウド化、サーバー統合を図りつつ、ITリソース配分も最適化するといったニーズは、今や大企業だけのものではない。
だが、ソフトウェアによる運用自動化が可能なアリスタ製品とはいえ、専門的なネットワーク構築技術をもたない一般企業がその機能を使いこなすのは、容易ではない。そこでアリスタでは、ネットワーク全体を単一のポータル画面から管理できる「CloudVision」と呼ばれる仕組みを用意している。これを利用することで、1台1台のスイッチに触れることなく、ネットワークやそのうえにある仮想マシンの状況を一元的に把握し、設定の変更などを加えることが可能となっている。
また、CloudVisionは、VMware NSXをはじめとするサードパーティのSDNコントローラや、OpenStackとの連携も可能になっている。ユーザーからみた場合、特定ベンダーの製品に囲い込まれる恐れがなく、一方でアリスタ製品の販売パートナー各社には、自社が取り扱うネットワーク製品との統合による独自の提案を行うことができるというメリットがある。世界トップクラスのデータセンター事業者が、アリスタ製品の採用を拡大していることから、アリスタ側にもさまざまな技術的知見が蓄積されており、販売パートナーからは、そのような最新のノウハウを生かした付加価値創出ができる点でも評価が高いという。
アリスタネットワークスジャパンの製品販売は、100%パートナー経由となっているが、朴社長は「この市場においては、パートナーを増やせば競合に勝てるというわけではない」と述べ、拡販のためにパートナーの社数を性急に増やすような施策をとる考えはないと説明する。しかし同時に、「当社と一緒にネットワークインフラの世界を変えていきたい、というプレイヤーとはぜひ一緒にやっていきたい」と強調し、同社製品の特性を生かした付加価値提案のできるSIerや販社とは、常に協業の可能性を模索しているという。とくに、日本市場では地方や官公庁などの攻略も課題といい、今後何らかの形で販売網を拡充していくことも必要となりそうだ。
ネットワークスイッチ市場で存在感を強めるアリスタネットワークス(アリスタ)は、データセンター用の製品に特化する戦略をとっている。一見、ユーザー層はクラウド事業者や通信キャリアに限られるようにも思われるが、実際には一般企業にも浸透しつつあり、パートナーの役割がより重要になってきている。(日高彰)
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