年頭所感

【2016年 年頭所感】 日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ

2016/01/07 20:40

週刊BCN 2016年01月04日vol.1610掲載

アムル・ラクシュミナラヤナン 社長
 社長に就いて約1年半が過ぎ、私なりに日本の情報サービス市場を理解してきた。意外だったのは、日本のユーザー企業が1980~90年代のシステム・アーキテクチャを温存し、改修しながら使っているケースが少なからずみられた点だ。

 誤解しないでいただきたいのだが、決して低く評価しているのではなく、これは日本企業は早くからシステム化に取り組み、自社のものとして定着させてきた証しでもある。とはいえ、ITの進化はとても速く、ときには技術的な世代をいくつか飛び越えて「トランスフォーメーション(転換、変革)」していくことも重要だと、私は考えている。

 アジアの成長国の通信事情でたとえるなら、電話の普及もままならなかった国や地域が、技術的な世代をいくつも飛び越えて3G、4Gを普及させることは、別に珍しいことではない。日本のような成熟国は、すでにシステムができ上がっており、違った意味でのトランスフォーメーションが求められる。

 当社TCSの強みは、なんといっても世界46か国に展開しているグローバル規模の知見にある。2014年7月に三菱商事系のSIerの旧アイ・ティ・フロンティアと経営統合。日本国内の人員数は約2400人へと一気に拡大させるとともに、日本におけるシステム需要のノウハウも獲得できた。これからは個々の日本のユーザー企業により密着し、日本を含むグローバルの知見を生かしたトランスフォーメーションの提案に力を入れていきたい。
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外部リンク

日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ=http://www.tcs.com/jp