星野芳彦 社長
 現在、当社はヤマト運輸を中心としたグループ内部向けの売り上げが約4割、外販が約6割で、これまでは外販に注力する形で事業を拡大してきた。しかし、技術の進化が速い今は、手を広げすぎても強みが出せない。グループ内各部隊のビジネスにICTの力を差し込み、結果的にグループ外にも評価されるというかたちにシフトする。

 例えば、現在開発中の宅急便基幹システム「第8次NEKOシステム」では、ドライバーがもつポータブルPOSを専用機から汎用のモバイル端末に変え、バックエンドはクラウド化する。決済機能も統合し、宅急便の仕組みをグループ内の他事業や流通系の外部顧客にも提供できるようにしていく。また、情報端末の初期設定を行いお届けする「セットアップ・ロジ」事業が、MVNO市場にうまくマッチしたことで大きく伸びている。物流だけ、ITだけでは価格勝負になってしまうが、一体で提供できることが強力な武器になっている。

 IoTやAIへの投資を検討している企業は多い。ただ現状ではビジネスになっていないし、われわれも今までの技術や感覚だけでは実現できないと考えている。社内外を巻き込んだセミナーやハッカソン、学生を招くワークショップなどを開いてきたが、2016年はさらに外部との連携を加速し、尖った技術をもつベンチャー企業などとの関係構築にも積極的に取り組んでいきたい。ヤマトグループ創業100周年にあたる19年には、IoTをはじめとする「今までにない攻めのIT」で大きく飛躍すべく、今年は体制を整える重要な年になる。