ここに注目!ニッポンのパートナー戦略
<ここに注目!ニッポンのパートナー戦略>第32回 ベライゾンジャパン 日本のSIer/販社を通じてグローバル回線を提供
2016/05/19 16:04
週刊BCN 2016年05月16日vol.1628掲載
米国最大級の通信事業者として知られるベライゾンは、米国外でも企業向けにグローバル対応の通信サービスを展開している。これまでアジア太平洋地域では主に大企業を相手とする直接販売でサービスを提供していたが、この春よりパートナープログラムを導入し、海外展開を加速する日本企業への販売体制を強化する。(日高 彰)
米国の通信事業者としてはAT&Tに次ぐ売上高第2位、携帯電話加入者数では米国内首位で、世界的にも有数のメガ通信キャリアとして知られるベライゾン。米国外でも、2005年に買収した旧MCI資産の活用や、各国の現地通信事業者との提携により、世界150か国で法人向けに音声通話、データ通信、インターネット接続などのサービスを「ベライゾン・エンタープライズソリューションズ」の名称で提供している。
従来はグローバル展開する大企業が主なユーザー層だったため、同社の営業部隊による直接販売がほとんどだったが、中堅企業の攻略や、より業種に特化した提案にも力を入れるため、米国では3年前にパートナープログラムを導入。SIerやVAR(付加価値リセラー)を通じたサービス販売を本格化し、企業向けサービスでは間接販売比率が3割近くまで拡大しているという。
そして今年3月末、同じパートナープログラムの運用をアジア太平洋地域でも開始した。まず日本、オーストラリア、台湾、香港でチャネル責任者を新たに登用し、各市場でベライゾン販売代理店となるパートナー企業を募集する。ベライゾン・エンタープライズソリューションズのトニー・レシーンCMO(最高マーケティング責任者)は、「アジアに本拠地を置く企業の海外展開が加速しており、そのなかでグローバルに接続性を提供できるのはベライゾンの大きな強み」と話す。
また、レシーンCMOは「海外拠点との間に必要な通信帯域はますます拡大している。加えて、クラウドの普及や、SDNやNFVといった技術の実用化など、ネットワークのあり方そのものが変わる契機が訪れている」と述べ、従来は国ごとでバラバラに現地の電話会社と契約していた企業も、グローバルで一貫したポリシーを適用できるネットワークを求めるようになりつつあると説明する。とくに、セキュリティへの要求はネットワーク更新の強力な動機になっている。このようなニーズに対してベライゾンでは、例えば一つの接続サービスを契約するだけで、AWS、Azure、SoftLayer、エクイニクスなどの主要なクラウド基盤やデータセンターに、世界のどの拠点からでも閉域で接続できるオプションなど、さまざまな付加サービスを用意している。
米国では、すでに1500社がパートナープログラムに参加しているというが、日本では当面パートナーの数を追うことはせず、金融、製造、流通、医療といった各業種で、顧客と強固な関係性をもつSIer、NIer、VARなどを獲得していく考え。サービス提供やサポート体制はベライゾン側のマターとし、パートナーは顧客との関係強化に専念できる「エージェント」型のプログラムを推進することで、日本でもパートナーにとって仕事のしやすい通信事業者になっていくとしている。
米国最大級の通信事業者として知られるベライゾンは、米国外でも企業向けにグローバル対応の通信サービスを展開している。これまでアジア太平洋地域では主に大企業を相手とする直接販売でサービスを提供していたが、この春よりパートナープログラムを導入し、海外展開を加速する日本企業への販売体制を強化する。(日高 彰)
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