2016年1月にシマンテックから独立したベリタステクノロジーズ。バックアップ関連の製品・サービスを中心に、情報管理分野に特化している。現在、最も力を注いでいるのは販社とのパートナーシップの深耕だ。このほどパートナプログラムを強化した。(佐相彰彦)

米ベリタステクノロジーズ
マーク・ナット
グローバルチャネル責任者 ワールドワイドでのベリタステクノロジーズの優良販社は、今年6月時点で600社程度となっている。シマンテックから独立する前と比べると20%程度の減少。米ベリタステクノロジーズのマーク・ナット・グローバルチャネル責任者は、「独立前はディストリビュータが多かったものの、今はSIerをはじめとしてデータセンター事業者やクラウド事業者など、サービスプロバイダが増えている状況だ。そのため、新しいソリューションを創造できるパートナープログラムを展開している」とアピールする。
具体的には、ソリューションを開発しようとしている販社に対してファンドの提供や、販社と一緒になって案件を獲得するためのマーケティングチームをワールドワイドで設置した。また、販社の裾野を広げるために予測可能な案件に対する登録制度を設けており、案件を獲得した段階で報奨金を提供するプログラムも策定している。もちろん、ディストリビュータに対してもボリューム製品に位置づけるバックアップソフト「Backup Exec」に対する販売マージンを改定している。ナット・グローバルチャネル責任者は、「今年に入ってから、パートナー経由の販売が大幅に増えて、全体の売り上げも前年を上回っている」と自信をみせている。販社経由の売上比率は、全体の85%を占めているという。
市場環境については、「バックアップ/リカバリのニーズが大企業だけでなく中堅企業にまで広がっていることから、簡単に製品を導入できるかについて追求していかなければならない」としており、アプライアンス製品「NetBackup アプライアンス」の拡販を図っている。このアプライアンスによって、ディストリビュータがリセラーに対して流通しやすい環境を整えたほか、SIerがアプライアンスをベースにソリューションを創造しやすくなったという。
日本では、「情報ガバナンスアドバイザリーサービス」というコンサルティングをサービス化して、ベリタステクノロジーズのスタッフがユーザー企業のストレージシステム状況を分析。それぞれのデータを可視化することで、バックアップの重要性を提案し、販社の製品・サービスの提供拡大にもつなげている。
ベリタステクノロジーズは、独立したことによって情報管理分野の製品・サービスに絞り込むという選択と集中を果たし、独立前から製品・サービス提供を重視していた販社をクローズアップすることで、ビジネスが順調に進んでいる。ナット・チャネル責任者は、「パートナープログラムの強化を頻繁に続けて、パートナー企業との関係を深めていく」との方針を示している。日本では、独立後4年間で2倍の売上規模まで増やすことを目標に据えている。