ITインフラにおけるクラウドへの流れは確実に進んでいる。オンプレミスのみでシステムを運用しているユーザー企業も、適材適所を志向し、クラウドとの併用であるハイブリッドクラウドでの運用を検討する傾向にある。そのためNECは、ハイブリッドクラウドを想定したクラウドソリューションの提案に力を入れている。 (山下彰子)

上野勝之
ビジネスクリエイション本部
シニアエキスパート

 安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」を進めるNECグループ。クラウドの領域では、ハイブリッドクラウドで基幹システム(SoR)、新ビジネスシステム/IoT/AI(SoE)を実現し、顧客の新たな価値創出に貢献することを目指している。

 オンプレミスとクラウドを統合運用するには、まずクラウド同士を統合する必要がある。NECはオンプレミスのクラウド「NEC Cloud System」と、パブリッククラウド「NEC Cloud PaaS」「NEC Cloud IaaS」「SaaS」を統合するだけではなく、AWS、Microsoft Azureなどの他社のクラウドも統合運用できるソリューションを用意。そのうえで、クラウドの提供により培った基盤技術や運用のノウハウをオンプレミス基盤にも適用することで、クラウドとオンプレミスの最適な統合運用を実現している。

 NECのクラウドサービスを個別にみていこう。NEC Cloud PaaSでは、AI・IoTプラットフォーム「NEC the WISE IoT Platform」におけるデータ収集基盤、AIエンジンなどをクラウドサービスとして提供している。ビッグデータやIoTなどの新しいテクノロジーを搭載した環境を活用することで、新規サービスやソリューションをスピーディに実現できる。

 NEC Cloud IaaSでは、顧客のシステムに必要なサーバー、ストレージ、ネットワークなどのICTリソースを、豊富なサービスメニューとして提供する。ラインアップは、ウェブサーバーなど負荷の軽いシステムに適した「スタンダード(STD)」、STDに比べ、CPU性能、メモリ容量を強化し、より高いセキュリティ要件や性能要件にも対応できる「スタンダードプラス(STD-Plus)」、基幹業務など高可用性を必要とするシステムのDBサーバーや、高性能検索サーバーなど高負荷なシステム向けの「ハイアベイラビリティ(HA)」の三つを用意。なお、仮想サーバー以上の高性能CPU、大容量メモリを必要とする業務向けには、物理サーバー「Xeon」「NX」を提案している。

 最後がSaaSだ。2009年にNECがクラウド向けサービスの提供を開始して以来、年々メニューを拡充し続けてきており、現在では各種業務に合わせて約100種を超える。基幹業務や自治体、医療、金融などの業種に特化したサービスだけではなく、上野勝之・ビジネスクリエイション本部 シニアエキスパートによると、「最近はビッグデータや社会ソリューションなど、新しい領域のサービスが増えている」という。