NECはSDN(Software Defined Network)事業を中堅・中小企業、現場まで領域を拡大する方針を打ち出した。そのための戦略が、アプライアンス製品だけではなく、ソフトウェア製品の販売、製品ラインアップの拡充、販売パートナー向け支援の強化の三つだ。(山下彰子)

高石勝雄
スマートネットワーク事業部
パートナービジネス開発グループ
シニアエキスパート

 SDNの事業拡大にはいくつか課題がある。そのうちの一つが導入コストの高さだ。SDN製品として、ネットワーク機器を一元管理するSDNコントローラとSDNスイッチがある。これまでNECはオンプレミスでネットワークを構築する顧客向けの製品が中心だったため、例えばSDNコントローラの「UNIVERGE PF6800」は約1000万円近くするなど、導入コストが高かった。そこで中堅・中小企業が導入しやすいように機能を抑えた「UNIVERGE PF6800 ベーシック」(300万円~)、ソフトウェア版「UNIVERGE PF6800 Basic Software」(50万円~)を用意。今年2月末には既存のSDNスイッチで構成されているネットワークにも追加導入が可能な「SDN Controller Lite」(5万円~)を投入した。

 ハードウェアだけではなく、ソリューションもセットにしたSDNソリューションも商品化した。例えば、クラウド・データセンター向けの「Office 365 アクセス自動化ソリューション」、WAN領域向けの「拠点・データセンター接続最適化ソリューション」、LAN領域向けの「オフィスLAN最適化ソリューション」など。なかでも一番注力しているのが「サイバー攻撃自動防御ソリューション」だ。

 従来は、端末が感染するとセキュリティ製品がそれを検知し、管理者にメールなどで通知をする。その後、管理者が感染端末を特定し、ネットワークから遮断するが、これだと感染端末を隔離するまでに時間がかかり、その結果、二次感染や情報漏えいのリスクが高まる。サイバー攻撃自動防御ソリューションは、Fortinet社のUTM「FortiGate」と連携し、脅威を検知するとSDNアプリケーションが自動で感染端末を遮断する。

 さらに、販売パートナーへのサポートも強化する。具体的には「NEC SDNサポートセンター」を新設し、技術情報のWeb公開、SDN教育の実施、技術支援センターの提供のほか、NECによるシステム設計レビュー、提案や構築の支援、また業種ごとのSDNテンプレートの提供なども行う。高石勝雄・スマートネットワーク事業部 パートナービジネス開発グループシニアエキスパートは、「今、SDNは特別なイメージがもたれているが、2019年にはSDNがネットワークの市場ではあたりまえになるようにしたい。他社もSDNの販売を強化しているので、ともに市場拡大を目指す」と話した。