11月9日、10日に東京国際フォーラムで開催した「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2017」。NECの主力商品である顔認証技術を使ったさまざまなソリューションを展示した。(山下彰子)

 NECの強みといえば、米国政府機関の評価テストで世界No.1の精度・速度を達成した顔認証技術だ。この顔認証技術をサービスと組み合わせ、ソリューションとして海外、国内で展開している。

   新野隆・代表取締役 執行役員社長 兼CEOは「世界的に、2030年には人口が約85億人、都市人口が50億人、さらに年間旅行者が18億人になると見込まれている。空港、街中、イベントで発生する課題を対処するソリューションを提供する」と話す。

 空港では、テロ対策を含めた安心・安全を確保するための取り組みが求められている。NECは米国のワシントン・ダレス国際空港に顔認証AIエンジン「NeoFace」を活用した顔認証システムの実証実験を実施。セキュリティ強化とスムーズな搭乗の実現を目指す。

 街中ソリューションでは、京都府警とAIを活用した犯罪予測システムを共同開発した。過去の犯罪発生データと犯罪理論を組み合わせて分析し、犯罪リスクの高い場所を予測、警らルートを作成して年9000万人の旅行者を守っている。

 イベントの安全対策の実績として、英国のサウス・ウェールズ警察と協力して行ったUEFAチャンピオンシップのスタジアム警備がある。専用の警察車両に設置したカメラに映った人物と、監視リストに登録された容疑者や要注意人物、行方不明者など、計50万枚の写真をリアルタイムに照合。人の往来が多い場所の安全性を確保した。

 展示コーナーでも、こうした顔認証ソリューションを多く展示した。入退管理ソリューションとして、入退場ゲートで立ち止まらずに顔認証ができる「ウォークスルー顔認証」を紹介。大規模な商業施設やオフィス、大型イベント会場での導入が期待される。

 カメラ映像から人数や混雑状況を解析・可視化できる「群衆マネジメントソリューション」も展示コーナーにあった。15年に世界で初めて東京都豊島区が総合防災システムとして導入した実績のあるシステムで、群衆解析エッジデバイスを使用し、カメラ側で解析・匿名加工することで、プライバシーに配慮した匿名加工情報として人流データを取得できる。混雑しているエリアをヒートマップで表示したり、混雑度が事前に設定したしきい値を越えた場合にアラート発するといった機能も備える。
 

 新野社長は「世界や日本で起きているさまざまな課題をデジタルで解決し、新しい価値を生んでいくことができると思う」と話した。