2015年設立のアガサは、医療機関と製薬会社向けに、薬を開発するための「治験」に関わる文書を管理するクラウドサービスを提供。従来、紙で行われてきた業務の効率化や、書類の作成・保管にかかるコストの削減を支援します。鎌倉千恵美社長に話を聞きました。
どんな会社なの医療機関と製薬会社向けにクラウドサービスを提供している会社です。
鎌倉千恵美 社長 アガサは、医療機関・製薬会社向けに「治験」にまつわる文書管理を効率化するクラウドサービス「Agatha(アガサ)」を提供。従来紙で行われてきた病院・製薬会社間でのやり取りや管理をクラウド化します。「一つの薬の実験には10~100の病院が関わっている」といい、作成する文書の量は膨大で、その郵送、保管にもコストが発生します。Agathaでは、そうした治験の紙書類をデジタル化し、作業負荷やコストの削減を支援します。
Agathaには、文書の作成・共有や版(バージョン)管理、ワークフローなどの機能を搭載。「クリック数を1回でも減らす」ことを目指した分かりやすいUIによる「操作の簡単さ」が特徴です。「改ざん防止や長期保管などの規制にも対応している」といいます。
医療機関向けと製薬会社向けの2種類のラインアップがありますが、基本的な機能は同じで、製薬会社向けには多数の病院とやり取りすることを想定した機能が実装されているとのこと。医療機関向けは1ユーザーあたり月額490円、製薬会社向けは同月額3000円から提供しています。
導入実績は約300社で利用されています。
サービスは2016年3月に提供を開始。中小の製薬会社と病院向けをメインターゲットとして展開しています。現在約300社が利用。紙の作業にかかる手間や保管場所の削減を目的に採用されることが多いそうです。
今後の方向性は海外ビジネスの拡大と、AIを使った自動化に取り組みます。
Agathaは日本語と英語に対応しており、国内だけでなく欧米やアジアでも提供しています。すでに「顧客全体の約2割は海外」で、今後も海外での利用拡大を狙います。
また、書類の変更点などをAIでチェックする機能の実装を予定。「基本機能はすでにできている。年内には本格的に提供できるだろう」としています。
よろしくアガサ
同社従業員は全体の半分弱が海外スタッフで、さらに全体の半分以上が女性。ほぼ全員がリモート勤務です。特に女性の仕事と子育ての両立の難しさが社会課題にもなっている中で、「子供がいてもやりがいのある仕事がしたいという人方々が集まり、中心的な仕事をしてくれている」(鎌倉さん)と、同社にとって大きな力になっているようです。アガサは「治験の文書管理クラウドサービス」でイッポ前へ!