「Identity as a Service」の略称。IDとパスワードの管理に加え、SSO(シングルサインオン)や多要素認証などをクラウド上で提供するサービスを指す。一度IDaaSで認証すると、連携済みのクラウドサービスであれば、都度認証しなくても利用できるようになる。
近年、各企業はさまざまなサービスを組み合わせて使っている。利用するサービス数の増加に伴い、IDとパスワードの管理は難しくなっている。IDaaSを導入することで、IDとパスワードを個別に管理する必要はなくなり、関連の業務を効率化できる。
IDaaSは、セキュリティ対策としての効果も期待できる。パスワードに加え、携帯電話の番号や指紋といった複数の要素で本人確認する多要素認証によって、認証情報を狙うサイバー攻撃を防ぐことができる。強固な認証が可能となることから、ゼロトラストを実現するためのソリューションとしても注目されている。
調査会社アイ・ティ・アールは、企業のクラウド活用が進む中、IDaaSの市場は今後、拡大すると予測している。
市場では現在、国内外のベンダーがサービスを提供しているが、連携できないサービスもあるため、導入前に対応状況をしっかりと確認することが重要だ。
(大向琴音)